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2022年5月10日火曜日

ブルース・リー特集(19:終)「懐かし映画劇場:映画ブログ」

「永遠のドラゴン」ブルース・リーを振り返るコーナー。死後もスーパースターなリー。「リーのソックリさん」(ブルース・リィ、ドラゴン・リーほか)およびその出演作を紹介します。

ブルース・リー特集(19:終)「懐かし映画劇場:映画ブログ」
ブルース・リィ(上)、ドラゴン・リー

ソックリさん&モノマネな人たち

サモ・ハン・キンポー

『燃えよデブゴン』でリーのモノマネをやった男。体型はリーに似ていないけれど、リーになりきって表情を作ってました。内容は『ドラゴンへの道』っぽい感じ。デブゴンがドジ踏んだりしながら、得意のカンフーを見せる。ロイ・チャオ、フォン・ハックオン、リー・ホイサン、レオン・カーヤンといった香港映画でおなじみの人たちも登場。

ブルース・リィ(ホー・チョンドー)

「リーのソックリさん」としてはナンバーワン、との評価。珍作『新死亡遊戯・七人のカンフー』が有名ですが、個人的には『ドラゴン怒りの鉄拳』の続編、『ブルース・リー物語』『Gメン'75』をオススメしたい。マジメな時は田原俊彦、笑うと野村義男っぽい顔になるのが特徴。

ドラゴン・リー(巨龍)

北朝鮮出身らしい(謎の男)。筋肉質な体。なぜか蟷螂拳を使う。『クローン人間ブルース・リー 怒りのスリー・ドラゴン』でブルース・リーのクローンを演じた(潜入捜査をする特別諜報員の役だったけど、最初から敵に怪しいとニラまれていた。妙に自信タップリなウザい表情が原因と思われる)。この男も『ドラゴン怒りの鉄拳』のような日本人が悪役の映画に出ている。しかしながら彼の出演作の日本版DVDはリリースされていません。字幕が無いものを鑑賞したことがありますが、かなり個性的な役者。いつか日本語字幕付きDVDで観たいものです。

ブルース・リ

ブルース・リーの大ファン。リーになったつもりでリーの似てないモノマネを披露。しかしながら、見た目は間寛平。ドラゴン・リー同様、『クローン人間ブルース・リー 怒りのスリー・ドラゴン』でブルース・リーのクローンを演じ、『ドラゴン怒りの鉄拳』のような日本人が悪役の映画に出てます。ストーリーが面白そうな作品もありますが、彼の出演作は日本版DVDでリリースされていません(VHSなら何本か出てます)。しかしながら彼の映画は最後にカンフーで彼が勝つのがパターン。日本語字幕付きではない映像でもカンフーシーンだけを見れば充分かもしれない。

タン・ロン

『死亡遊戯』『死亡の塔』でブルース・リーの代役をやった男。韓国出身の映画俳優で、本名は金泰靖(キム・テジョン)。芸名の「唐龍」は『ドラゴンへの道』のブルース・リーの役名から取っています。ゴールデン・ハーベストが公認する「ブルース・リーのそっくりさん」であり、「ブルース・リーに取り憑かれた男」。『死亡遊戯』のオーディションを受け、合格。『死亡遊戯』ではサングラス姿のシーンが多かった。『死亡の塔』ではブルース・リー役と、リーの弟役の二役。この作品で見せたキックを主体としたアクションは今でも評価されています。韓国公開版では(当時)タン・ロン主演作として劇場公開されました(韓国公開版には日本版には存在しないシーンがあります。ヌンチャクをぶん投げて敵にぶつけるシーン、ほか)。その後の活躍はほとんどなく、2011年、54歳で死去。不吉な題名でワケありの映画に出演した変わった男。長くは生きられない運命だったか。

ダニー・リー(李修賢)

『実録/ブルース・リーの死』でブルース・リーを演じ、サングラスを掛けてリーっぽい雰囲気を出していた。この映画はあのベティ・ティンペイがリーとの思い出を振り返る再現映像。本当かどうかわからないシーンもあるとか。また、肝心のアクションシーンは「イマイチ」という評価。名作『狼/男たちの挽歌・最終章』でチョウ・ユンファと組んだりして、刑事役で定評のあるダニー・リー。ブルース・リーを演じたことをどう思っているのだろう?

(予告編:YouTube)『クローン人間ブルース・リー 怒りのスリー・ドラゴン』

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2022年5月5日木曜日

ブルース・リー特集(18)「懐かし映画劇場:映画ブログ」

「永遠のドラゴン」ブルース・リーを振り返るコーナー。死後もスーパースターなリー。『死亡遊戯』のバッタもん作品『新死亡遊戯・七人のカンフー』『死亡魔塔』を紹介します。

『死亡遊戯』をパクって製作された『新死亡遊戯・七人のカンフー』『死亡魔塔』。ブルース・リィ(ホー・チョンドー)&ブルース・リ。「ブルース・リーの(似てない)ソックリさん」として有名な二人による作品。

1.『新死亡遊戯・七人のカンフー』(1975年) 

ブルース・リー特集(18)「懐かし映画劇場:映画ブログ」

(ストーリー)

ブルース・リーの死後、映画界は第二のブルース・リーを探す。大学生のリィは恋人からも促され、映画会社と契約。「第二のブルース・リー」として映画出演することに。その映画の中でリィは恋人を助けるために五重塔に登って各階に登場する武術家と戦う。  

(感想)

『死亡遊戯』の公開前に急いで作られた作品。リィが塔で戦うシーンはいわゆる劇中劇。「七人のカンフー」というタイトルだけあって「七人のカンフー使い」とリィが対決する内容。しかしまぁ、この戦いがどれも微妙。まずリィがヘンな髪型で、顔も田原俊彦っぽい。要するに「田原俊彦がブルース・リーのモノマネをしながら珍妙な敵と戦う」といった感じ。「七人」の顔ぶれは、①二人組。そのうちの一人は『クレージーモンキー 笑拳』の馬場。②サムライ。刀でリィを襲うが瞬間移動するリィに翻弄されて、イカレてしまう。③カラテ家。棒を使ってリィを攻撃。④レスラー。何かダサい格好。腕ひしぎ逆十字を噛みつき攻撃で脱出したリィがエアプレンスピンで敵をぐるぐる回す(カメラもぐるぐる回るため、見ていて気持ち悪くなる演出)。⑤インド人。座禅を組んだまま、ぴょんぴょん跳ねるヘンな奴。ヌンチャクを使うが奪い取られて、リィが勝利。⑥黒人ボクサー。モハメド・アリっぽい構えをしたりしながら不器用に戦う。最後は打たれて戦意喪失。ボクサーがパンチで負けるなよ、って感じの負け方。⑦ムチを使うヒゲ男。リィはヌンチャクで対抗。どんな結末になるか? スローでキレがないリィのカンフー。しかもところどころ早送りになってコントみたいな動き(「タケちゃんマン」でそんなシーンが昔ありましたけど)。この映画、日本語字幕付きでDVDリリースされました。「どんな映画なのだろう?」という興味深さはありますが、戦いのシーンがイマイチな気がする映画。せめて後ろ回し蹴りぐらいはカッコよく見せてほしかったところ。


2.『死亡魔塔』(1978年)

ブルース・リー特集(18)「懐かし映画劇場:映画ブログ」

(ストーリー)

黄色いトラックスーツ男が数々の敵と戦う。

(感想)

この「ブルース・リ」とかいう男。ふざけた名前。いちいちリーみたいな表情を作るウザったさ。なんなんでしょうねぇ、こういうの。でも『新死亡遊戯・七人のカンフー』よりは良い映画。ヤン・スエ、リー・ホイサン、チウ・チーリンが出てますから。日本語字幕が無い動画で鑑賞したため言葉がわからないので何とも言えませんが、ストーリーも良さそうな感じ(たぶん、リーの『死亡遊戯』を意識して脚本を考えたのだと思われます)。リが塔で戦う相手。①リー・ホイサン。鉄の玉(?)を投げて攻撃。リはそれを難なく受け止めて潰す。カンフー、刀と棒で対決。②ヘビ使い。ヘビで攻撃する奴。これがホントの「蛇拳」といった感じの技。リがショボいキック(しかもスローモーション)で勝利。やられた姿もキモいヘビ男。③白髪男。ヌンチャク対決。最後は素手で決着。④ヘンな二人組(そのうちの一人はチウ・チーリン)。構えがいちいち大きい。無駄に瓶が割られる演出。素手での勝負でリの圧勝。凄かったのは構えだけ、の二人組。⑤ヒゲ男。これも素手の勝負。⑥塔の外でヤン・スエ、黒人と戦う。リが主演の映画。ヤン・スエはいつも「やられ役」(かわいそう)。見た目がダサいリがブルース・リーのモノマネをしながら多くの敵に楽勝する映画。これは日本版DVDがリリースされていません(コッチの方が『新死亡遊戯・七人のカンフー』よりもいいと思うんだけど)。日本語字幕付きで見たいところです。

ブルース・リー特集(19:終)

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2022年4月29日金曜日

ブルース・リー特集(17)「懐かし映画劇場:映画ブログ」

「永遠のドラゴン」ブルース・リーを振り返るコーナー。スーパースターになったリー。友人が製作する『麒麟掌』の現場を訪問。そして予期せぬ出来事が。エピソードをまとめてみました。

ブルース・リー特集(17)「懐かし映画劇場:映画ブログ」

①『麒麟掌』(1972年)

ブルース・リーの子供の頃からの友人ユニコーン・チャン。『ドラゴンへの道』でも共演した二人。チャンが『麒麟掌』を撮るというのでリーがスタジオを訪問。その姿を撮影した映像を勝手に『麒麟掌』に挿入したことでリーとチャンが仲違い。たったそれだけのことで子供の頃からの関係が終了。どちらにも問題があったような気がする。

②内容

本編は観たことがないため何とも言えませんが、「実につまらない映画」だそうです。『ドラゴンへの道』でナマイキなレストラン従業員役だったユニコーン・チャンが主演で戦う映画。あんまりカッコよくない男が主役。予告編で観られる格闘シーンもショボい感じ。ただ、キャストはなかなか充実。倉田保昭、池漢載、ウォン・インシック、ウェイ・ピンアオ、リー・クン、ジャッキー・チェン、マースらが登場。しかし主役がイマイチじゃあどうにもなりません。

③エピソード

リーが撮影現場で武術指導を行う様子を盗み撮りしたのは犯罪結社系の映画会社、とのこと。リーが激怒したのはそれが理由かも。

ブルース・リー特集(18)

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2022年4月15日金曜日

ブルース・リー特集(16)「懐かし映画劇場:映画ブログ」

「永遠のドラゴン」ブルース・リーを振り返るコーナー。『燃えよドラゴン』に出演後、『死亡遊戯』が未完成のまま急死。そして1980年の『死亡の塔』。見所、エピソードをまとめてみました(後編)。

ブルース・リー特集(16)「懐かし映画劇場:映画ブログ」
韓国版&訃報

演出

『燃えよドラゴン』の未公開シーン&過去作の流用で製作された『死亡の塔』。リーの代役のタン・ロンが頑張る映画。個性的な演出、妙な演出がいっぱい。ブルース・リーのつもりで演技するタン・ロン。顔はもちろんのこと、髪型もリーとは違うため、リーのフリをしている演技が滑稽なものに見えます。ストーリー上の細かい矛盾や謎も多い映画。「あれは何だったんだろう?」とかアレコレ想像しながら鑑賞できるのがこの映画でいいところ(かもしれない)。

「死亡の塔」って?

日本で「死の宮殿」と呼ばれる豪邸に住んでいるルイス。広大な土地を所有し、庭でライオンを飼っている。ビリー・ロー(ブルース・リー)の弟ボビー(タン・ロン)がルイス邸を訪問。ルイスは朝食には「鹿の生肉」を食べ、「鹿の血(吹き替えバージョンでは「鯉の血」)」を飲むジビエな男。伝説の「死亡の塔」についてボビーに説明。何百年も前に建てられたが見た者はいない、とのこと。それなのにそのすぐ近くの寺に宇宙服みたいな服を着た奴が突然現れます(スゴく目立つ格好)。ボビーが怪しい雰囲気の奴を見張ってたら怪しい入り口が。ここがウワサの「死亡の塔」。エレベーターで下へまいります。007の秘密基地みたいな施設。大勢の戦闘員。警報に気付いた戦闘員がボビーに襲いかかりますが、次々と倒されます。「血の池地獄」みたいなのに蹴り落とされた奴がジタバタ溺れる。そして「塔の番人」が現れる・・・。「塔」というより「秘密基地」だった「死亡の塔」。どうやら悪人が昔話をヒントに作ったらしい。

日本版『死亡の塔』

本作の配給会社は東映。日本版主題歌「アローン・イン・ザ・ナイト」と日本版挿入歌「フォールン・ヒーローズ」(いずれもキース・モリソン作曲)が本編に挿入されています。オリジナル版では葬式みたいな音楽が延々と流れますが、日本版にはカッコいい曲。この作品のファンが日本に多いのは音楽が理由かも。銀座のクラブでチンクーの娘が歌うシーンでは奥村チヨ「気ままぐらしの女」が流れます。

韓国公開版『死亡の塔』

韓国版ではブルース・リーの映像がすべてカットされ、「タン・ロン主演作」になっています。国際版・香港版には無いシーンもあり、「タン・ロンが戦闘員にヌンチャクを投げつけるシーン」が有名です。音楽も「気ままぐらしの女」ではなく、何か騒々しい曲です。

エピソード

ブルース・リーの役名が「ビリー・ロー」。『死亡遊戯』と同じ。これは『死亡遊戯』の続編として企画されたため。しかし結果的に『死亡遊戯』とは全くつながりも関係もないストーリーに。英語版のタイトル(Game of Death II)は訳すと『死亡遊戯II』で、関係があるような感じになっていますが、それは興行的な理由から名付けられたのだと思われます。

ブルース・リー特集(17)

(予告編:YouTube)

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2022年4月10日日曜日

ブルース・リー特集(15)「懐かし映画劇場:映画ブログ」

「永遠のドラゴン」ブルース・リーを振り返るコーナー。『燃えよドラゴン』に出演後、『死亡遊戯』が未完成のまま急死。そして1980年の『死亡の塔』。見所、エピソードをまとめてみました(前編)。

『死亡の塔』(1980年:The Tower Of Death)

(内容)

日本人格闘家と兄が急死した謎を解くため、弟が日本に乗り込む。

ブルース・リー特集(15)「懐かし映画劇場:映画ブログ」
チンクー(上)、ビリーの戦い

未使用フィルム

格闘シーンの撮影では多くのNGが出ます。「リーの未公開映像がまだあるのでは?」というファンの期待に応えようとしたのがこの『死亡の塔』。監督は呉思遠。当初、『死亡遊戯』の未使用フィルムで製作する予定だったという。しかし権利関係で不可。『燃えよドラゴン』の未使用フィルム、少年時代のリーの出演作『細路祥』『雷雨』といった過去作を使って製作された。

代役

「『燃えよドラゴン』の未使用フィルム」といってもそのシーンはごくわずか。「ブルース・リー主演」とはとてもいえない内容。しかもリーの役である「ビリー」は前半の約30分ほどで死亡。「リーの出演シーン」のほとんどは代役が務めている。代役を演じるのはタン・ロンという韓国人。ブルース・リーのマニアで『死亡遊戯』にも代役で出演。「タン・ロン」こと金泰靖は中国語が話せなかったということで、撮影現場では静かな態度。身振り手振りで指示を受けながら撮影に臨んだという。

キャスト

日本人格闘家「チンクー」役でウォン・チュンリー(『スネーキーモンキー 蛇拳』『ドランクモンキー 酔拳』でおなじみの男)。「ビリー・ロー(ブルース・リー)の友人」という役どころ。チンクーから習ったカンフーを悪用する西洋人「ルイス」役でロイ・ホラン(『スネーキーモンキー 蛇拳』でもウォン・チュンリーと共演)。他にもチンクーに挑戦するカラテマン(グラハム・レイヴィ)、ビリーに挑戦する韓国の格闘家(カサノヴァ・ウォン)、カンフーの師匠(ロイ・チャオ)&弟子(ユン・ピョウ)、美女(ミランダ・オースチン)、片腕の男、などが作品を盛り上げます。

格闘シーン

珍妙な演出が多い映画(それはそれで楽しい)。しかしながら格闘シーンはかなりの迫力。チンクーとビリーが格闘家から挑戦されるシーン(カサノヴァ・ウォンが出てくる「温室の決闘」(サモ・ハンが武術指導したシーン)は香港では『死亡遊戯』の方に使われました)。銀座のクラブでの戦い&路上での戦い。寿司屋にクルマが突っ込む演出は個性的&迫力。「死亡の塔」での戦いは迫力&コミカル。黒幕を守る「塔の番人」役でタイガー・ヤン、リー・ホイサン。ヤンはヘンなターザンスタイル。ホイサンは不気味なスキンヘッド。倒され方がどちらもユニーク。

ブルース・リー特集(16)

(予告編:YouTube)

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2022年3月27日日曜日

ブルース・リー特集(14)「懐かし映画劇場:映画ブログ」

「永遠のドラゴン」ブルース・リーを振り返るコーナー。『燃えよドラゴン』に出演後、『死亡遊戯』の完成に取り組んだリー。1978年版の『死亡遊戯』。見所、エピソードをまとめてみました(後編)。

ブルース・リー特集(14)「懐かし映画劇場:映画ブログ」
ジャガー(上)、リーの代役

ギャング

リーが撮影した格闘シーンを生かすために製作された1978年版『死亡遊戯』。その格闘シーンに出ていたダニー・イノサント、池漢載、カリーム・アブドゥル=ジャバーは「ギャングの手下」という役どころに。芸能人やスポーツ選手を傘下に入れてカネを稼ぐギャングがアクションスターのビリー・ロー(ブルース・リー)を脅して強引に契約しようとする映画。ハゲチャビンの「ドクターランド」とかいう奴がボスのギャング(デカいんだか、そうでないんだかわからない規模の組織)。「ランド」を演じるのはディーン・ジャガー、その右腕「スタイナー」はヒュー・オブライエン、カラテ家「カール・ミラー」はボブ・ウォール、ビリーを銃撃する「スティック」はメル・ノヴァク。

サモ・ハン

かつてブルース・リーがサモ・ハンに『死亡遊戯』への出演オファー。しかしながら、スケジュールの都合でオリジナルの『死亡遊戯』には出演できなかったサモ・ハン。1978年版『死亡遊戯』に武術指導、カール・ミラーとマカオで戦う「ロー・チェン」役で参加。ロッカールームで行われる「ビリー vs. カール」は迫力がありましたが、これはサモ・ハンが演出したもの。「ロー・チェン」として戦うシーンはカールの引き立て役なので蹴られまくります。

倉庫での戦い

ビリーがさらわれた恋人を救出するためクーロンの倉庫に乗り込むシーン。バイク軍団との戦い。ここであの有名なトラックスーツを手に入れます。「格闘シーン」でリーがトラックスーツを着ているため、それを手に入れる「倉庫での戦い」が撮影されたのだと思われます。

最後の戦い

ギャングのアジト「レッドパッパータワー」に乗り込むビリー。組織の連中と対決。パスカル(ダニー・イノサント)、ハプキドーの男(池漢載)、ハキム(カリーム・アブドゥル=ジャバー)、スタイナー、ハゲチャビン(ドクターランド)。死んだフリをしたりしながらコソコソ逃げるランド。なぜか屋根に逃げる。そして・・・。エンディングが香港公開版と(日本公開版を含む)国際版とで異なることでも有名。香港公開版はビリーが警察に連行されるという、あんまりカッコよくない終わり方。国際版の方が余韻を残す感じでGOOD。それとカサノヴァ・ウォンが登場する「温室の決闘」の有無。そのシーンは『死亡の塔』で観ることができますからそれはどちらでもいいと思います。

ブルース・リー特集(15)

(予告編:YouTube)

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2022年3月9日水曜日

ブルース・リー特集(13)「懐かし映画劇場:映画ブログ」

「永遠のドラゴン」ブルース・リーを振り返るコーナー。『燃えよドラゴン』に出演後、『死亡遊戯』の完成に取り組んだリー。1978年版『死亡遊戯』。見所、エピソードをまとめてみました(前編)。

『死亡遊戯』(1978年、原題:死亡遊戯 GAME OF DEATH)

(内容)

アクションスターのビリー・ロー(ブルース・リー)が芸能人やスポーツ選手を脅迫してカネを稼ぐ悪のシンジケートから命を狙われる。

ブルース・リー特集(13)「懐かし映画劇場:映画ブログ」
コリーン(上)、リーの代役(下)

未完成

ブルース・リーが1972年秋に『死亡遊戯』のクライマックスのアクション・シーンのみを撮影。『燃えよドラゴン』の製作のため『死亡遊戯』は中断。リーの急死により未完となった。その後『燃えよドラゴン』の監督ロバート・クローズ、武術指導サモ・ハン・キンポーらにより1978年版『死亡遊戯』が完成、公開。ただし、ヒットしたのは日本だけ。ソックリさんがリーの代役を務めるシーンが多いため、「ブルース・リー映画」と認めないファンも多い。

キャスト

リーが生前撮影した格闘シーンをNGシーンを除いて編集すると約40分。それを生かすため製作されたのが1978年版『死亡遊戯』。ただし、ストーリーを重視したためか、40分ある格闘シーンで本編に使用されたのは10分ほど。「クライマックスの格闘シーン」以外の「リーの出演シーン」はリーの代役タン・ロン、ユン・ピョウ、リーの過去作の流用によるもの。『燃えよドラゴン』のロイ・チャオが「ビリーの(京劇をやってる)おじさん」役で特別出演。ヒロインは『ポリスアカデミー2 全員出動!』でおなじみのコリーン・キャンプ。その他ハリウッドのベテラン俳優。あのスティーブ・マックイーンやジェームス・コバーンにも出演を依頼したそうだが「ソックリさんの相手役はできない」と断られたという。

音楽

過去作の流用とソックリさんで完成させた『死亡遊戯』。何かと問題アリな作品。しかしながら、ジョン・バリーによる音楽は素晴らしい。オープニングのテーマ曲。そして劇中とエンディングで流れるコリーン・キャンプが歌う「Will This Be The Song I'll Be Singing Tomorrow」。

苦肉の策

リーの代役(タン・ロン、ユン・ピョウ、ユン・ワー)が頑張った映画。アップで顔が映るとリーに似てないことがバレてしまうため、サングラスで顔を隠したり、横顔や後ろ姿で登場したり、暗い夜のシーンだったり。一番マヌケなのがリーの顔写真を鏡に張り付けて合成したシーン(ちょっとズレていて、ズサンな感じ)。

怪鳥音

『燃えよドラゴン』の英語のセリフはリー本人の肉声。それ以外の作品は別人による吹き替え。しかし、吹き替えの場合でもいわゆる「怪鳥音」はリー本人の声。ところがこの1978年版『死亡遊戯』の「怪鳥音」はアメリカ人のクリス・ケントという人物(誰?)の声。「あちゃー あちゃあちゃ あちゃー あちゃあおう ほやー わちゃちゃちゃちゃ わちゃー」ってな感じで(力が抜けるような声を出しながら)戦うリー(&代役)。初めて聴いた時は「ブルース・リーってこんな変な声なのか?」と思ったものです。

ブルース・リー特集(14)

(予告編:YouTube)

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2022年3月1日火曜日

ブルース・リー特集(12)「懐かし映画劇場:映画ブログ」

「永遠のドラゴン」ブルース・リーを振り返るコーナー。『燃えよドラゴン』に出演後、『死亡遊戯』の完成に取り組むリー。そして1973年7月20日。その頃の状況をまとめてみました。

ブルース・リー特集(12)「懐かし映画劇場:映画ブログ」。
リーの葬儀

死去

1973年7月20日。女優ベティ・ティンペイの香港の自宅を訪ねたリー(ティンペイは『死亡遊戯』に出演予定だったという)。そして頭痛。鎮痛剤を飲んでベッドに横になったまま昏睡状態に。ティンペイはレイモンド・チョウを呼び、クィーン・エリザベス病院へリーを搬送。32歳で死去。

死因

公式な死因は脳浮腫(のうふしゅ)。司法解剖の結果、微量の大麻が検出されたがそれは死因ではない。元々、脳にダメージがあったリー。鎮痛剤に脳が過剰反応した、というのが有力な説。

前兆

リーは『燃えよドラゴン』の撮影後、音声吹き込み中に昏倒。意識不明の重体に陥ったが、かろうじて一命をとりとめた。その前後にも体の不調のためか、親しい人を殴ったり、怒りっぽくなっていたという。『ドラゴン危機一発』『ドラゴン怒りの鉄拳』で意見衝突したときのことを突然思い出して監督だったロー・ウェイを罵倒、殴打。警察沙汰に。1972年、リーの青年時代の師匠であった葉問が死去。リーはそのとき香港にいたが葬儀には出席せず、「恩知らず」という非難を世間から浴びた。リーの体調不良とこのことが関係あるのかどうかはわからないが、「普通ではない行動」として興味深いところ。亡くなる前、かなりやせてしまったリー。しぼんだ胸にシリコンを入れる手術を受けたと言われているがその証明はされていない。

葬儀

葬儀は香港とシアトルで二回行われた。香港では数万人のファンが葬儀に参列。シアトルの葬儀にはリーの弟子だったジェームズ・コバーンやスティーブ・マックイーンも参列。遺体はシアトルの墓地に埋葬された。若くして亡くなった息子ブランドンもそこに埋葬されている。シアトルのリー親子の墓には截拳道の理念である「以無限為有限 以無法為有法」と「YOUR INSPIRATION CONTINUES TO GUIDE US TOWARD OUR PERSONAL LIBERATION」が刻まれている。

死後

リーの死後、『燃えよドラゴン』が世界各地で公開され、ヒット。しかし、地元香港では、『ドラゴンへの道』の興行収入を大きく下回った。香港のファンは「中国人が悪い外国人を倒すところ」をリーに期待していたためであり、リーとミスター・ハンが中国人同士だったため関心が薄かった、ということらしい。 

ブルース・リー特集(13)

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2022年2月20日日曜日

ブルース・リー特集(11)「懐かし映画劇場:映画ブログ」

「永遠のドラゴン」ブルース・リーを振り返るコーナー。主演カンフー作が連続大ヒット。『燃えよドラゴン』に出演する前に撮影した『死亡的遊戯』についてまとめてみました。

『Bruce Lee in G.O.D 死亡的遊戯』(2000年、日本・香港映画)

ブルース・リーが格闘シーンだけを撮影して未完成に終わった『死亡的遊戯』。『Bruce Lee in G.O.D 死亡的遊戯』『Bruce Lee: A Warrior's Journey』でその格闘シーンがフルに観られます。

ブルース・リー特集(11)「懐かし映画劇場:映画ブログ」

『死亡的遊戯』

1972年秋から、リーは『死亡遊戯』の撮影をスタート。そこへ『燃えよドラゴン』の企画が持ち上がり、『死亡遊戯』の製作は中断された(リーは寒いのが苦手だった、というのも『死亡遊戯』の撮影が中途半端になった理由の一つ)。撮影されたのは、格闘シーン、塔を守る格闘家たちによるデモンストレーション映像。

出演者1

ブルース・リー、ジェームズ・ティエン、チェン・ユアン(解元)がチームを組んで塔に上り、各階の強敵と戦う、というもの。各階の格闘家はダニー・イノサント、池漢載、カリーム・アブドゥル=ジャバー。チーム対抗戦のような形式ではありますが、チームは二人がかりで攻撃したりするのに対し、イノサントら「塔の番人」は一人で戦う(各階の格闘家が三人同時に相手をする「変則マッチ」形式)。一番強いのはブルース・リー。ティエンやユアンは引き立て役。リーはこの映画にサモ・ハンを呼ぶ予定だったという。何の役をさせるつもりだったのかは今となってはわかりません。ただ、リーは太ってる人が嫌いだったという。ティエンやユアンも出演させたくなかったという。しかしレイモンド・チョウの薦めで出演が決まった、とのこと。解元は78年の『死亡遊戯』が完成する直前の1977年に脳腫瘍で急逝。リーと同じ原因と年齢(32歳)での死だった。

出演者2

ダニー・イノサントは棒術が得意のフィリピン人。リーが創始したジークンドー(截拳道)を継承する者(スティーヴン・セガール『アウト・フォー・ジャスティス』でも棒術を披露しています)。池漢載(チー・ハンツァイ)はハプキドー(韓国式合気道)の達人。負ける役に難色を示したという。池は韓国大統領朴正煕のボディガードを務めたこともあるそうだ。カリーム・アブドゥル=ジャバーはNBA「レイカーズ」の名選手。リーのアメリカ時代の弟子。香港に休暇にきたところ、リーから出演依頼。撮影中、リーのハイキックが誤ってジャバーの顔面をカスり、ジャバーが激怒した、とか。コメディ映画『フライングハイ』では旅客機の副パイロット役を演じるなど、ユーモラスなところがある人でもあります。なお、イノサントによるとジャバーとリーの対決シーンの撮影がまず行われ、次いでイノサントのファイト・シーンの撮影。ジャバーはイノサントと入れ違いで香港から帰国したという。

エピソード

ジョージ・レーゼンビー(『女王陛下の007』で二代目ジェームズ・ボンドを演じた)、ベティ・ティンペイ(リーと怪しい関係だった。『Mr.Boo!ギャンブル大将』ほか)もオリジナルの『死亡遊戯』に出演する予定だったとか。あのスティーブ・マックィーンもアメリカの特別捜査官の役で出演する予定だったらしい。そうなってくるとますますリーが企画した本来の『死亡遊戯』のストーリーが気になるところ。

ストーリー

格闘シーンしかない『死亡遊戯』。どんなストーリーをリーは考えていたんでしょうね。イノサントによると、リー「知識を探求する人間物語、それが "死亡遊戯"」とのこと。塔に登る三人の男(リー、ティエン、ユアン)。彼らが目指したものは何だったのか? それは「知識」、というのがリーの説明。『燃えよドラゴン』撮影終了後に最終的な台本が完成したとされていますが、その台本は見つかっていません。ある本には「有名格闘家ハイ・ティエン(ブルース・リーの役名)の息子が謎の男にさらわれた。息子を救出するため、謎の男の指示で塔を守る強敵と戦うことを余儀なくされる」というのが本来の脚本と載っていました。しかしながら、リーのセリフ(リー「ゲームは終わった!」。外の人物「戦いはまだまだ続く」「お前は戦い続けるしかない」「死ぬまで戦うのだ」)や楽しみながら戦っている表情から想像すると、「誘拐劇」ではなさそう。楽しみながら戦う「異常なゲーム」。カネのために戦っているわけではなく、銃やナイフを使うわけでもなく。たぶん最後に残った者が「最高の武芸者」としての栄誉を与えられ、強者と戦った経験を得る。それが「死のゲーム」の目的なのではないか、と思います。「格闘シーン」は全体で39分ほど。仮にこの作品が完成したとしてもリーのファンは喜ぶでしょうが、「戦いのシーンが長すぎる映画」として普通の映画ファンには評価されなかったかもしれません。

NG

格闘シーンに注目の『Bruce Lee in G.O.D 死亡的遊戯』。「リーの強さ」を堪能できる映像。カッコよく戦うシーンがキレイに編集されています。格闘シーンの撮影ではNGが多く出るのが普通。リーがヌンチャクを失敗するシーンなど、まだまだファンには公開されていない映像がたくさんあるような気がします。できれば「リーが映っている映像」は全て観てみたいところです。

ブルース・リー特集(12)

(予告編:YouTube) 

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2022年2月15日火曜日

ブルース・リー特集(10)「懐かし映画劇場:映画ブログ」

「永遠のドラゴン」ブルース・リーを振り返るコーナー。主演カンフー作が連続大ヒット。ついにハリウッド作に出演。『燃えよドラゴン』。見所、エピソードをまとめてみました(後編)。

ブルース・リー特集(10)「懐かし映画劇場:映画ブログ」
撮影現場のリー

ミスター・ハン(シー・キエン)の島に向かうリー。ローパー、ウィリアムス、ニュージーランドの白人パーソンズ(ピーター・アーチャー)らと船の旅。パーソンズがリーを挑発して、「お前の流儀を見せろ」って。「遠くの島に行って、そこで見せてやる」と答えるリー。ボロいボートに乗せられて沈みそうになるニュージーランダー(かっこ悪い)。シリアスな映画ですが、このシーンのようなちょっとした「笑いの場面」もあります。他にも、ハンの島には怪しい女たちがいたり、珍妙な宴会が行われたり(Tバックの力士、珍味っぽい料理で武芸大会参加者をおもてなし)。この「ハンの島」のシーンはあるカネ持ちの豪邸を借りて撮影された。ハンの手下たちがカラテの稽古をしている場所はテニスコート。色を塗ったりして稽古場風に仕立てたという。

大会初日

初戦は「ウィリアムス vs. ニュージーランダー」。ローパーはチョビヒゲのオッチャンとどっちが勝つか賭けてます。次の試合は「ローパー vs. 中国人(トニー・リュウ。『ドラゴン危機一発』のドラ息子)。ローパーさんがズルイ手を使って勝ちます。これらのシーンには大勢のエキストラがハンの手下役で出演。撮影中、エキストラがリーに挑戦。リーの強さを見たエキストラたちはおとなしくなったという。また衣装係がエキストラの道着を洗濯に出したため撮影が一時中断。洗濯屋から取り戻し、撮影再開。その道着は濡れたままだったという。

因縁の対決

「リー vs. オハラ(ボブ・ウォール)」の対決。オハラはリーが復讐に来たことに気付いていません。リーの見えないほど速いパンチ。ビール瓶を持ち出すオハラ。ここでアクシデントが発生。割れたビンでリーが手首を負傷。撮影中断、そして再開。リーがウォールに本気のサイドキックを入れ、ウォールが吹っ飛ぶ。後ろに居たエキストラが骨折。思いっ切り蹴られたウォールは「(ケガをさせた)仕返しをされたのか?」と思ったそうだ。他にもアクシデントが。リーが地下に侵入するシーンでコブラを捕まえるのに失敗。コブラに腕を噛まれたが、コブラから毒が抜かれていたので傷だけで済んだ、とのこと。

決着戦

「お前は家族と少林寺の名誉を汚した」とハンを追い詰めるリー。「鏡の部屋」での戦い。このシーンに使われた8000枚の鏡。単なるアクションシーンではなく、鏡を使ったことにより映画史に残る決闘シーンとなった。ハン役のシー・キエンは当時60歳近く。格闘シーンをほぼノースタントで演じたという。

未公開映像

出演者のアーナ・カプリが個人撮影した8ミリフィルム。メイキング映像。DVDに特典映像として収録されているこれらの映像でリーの素顔が見られます。未公開映像はまだ他にも現存している、とのこと。「リーの動いている映像」なら全て見てみたいですね。

ブルース・リー特集(11)

(予告編:YouTube)

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2022年2月7日月曜日

ブルース・リー特集(9)「懐かし映画劇場:映画ブログ」

「永遠のドラゴン」ブルース・リーを振り返るコーナー。主演カンフー作が連続大ヒット。ついにハリウッド作に出演。『燃えよドラゴン』。見所、エピソードをまとめてみました(前編)。

『燃えよドラゴン』(1973年、原題:ENTER THE DRAGON 龍争虎闘)

(内容)

少林寺の高弟リー(ブルース・リー)が「ミスター・ハン」という悪者が住む島に乗り込んで悪党どもと戦う。

ブルース・リー特集(9)「懐かし映画劇場:映画ブログ」
ジャッキー(上右)、ユン・ピョウ(下右)

「香港のブルース・リー」から「世界のブルース・リー」へ

あまりにもエピソードが多い映画。アメリカ時代、ハリウッドから良いチャンスがもらえなかったブルース・リー。まずは香港でスターになってから再びアメリカ市場に挑戦する計画。『ドラゴン危機一発』『ドラゴン怒りの鉄拳』『ドラゴンへの道』が大ヒット。そしてついにブルース・リーの「コンコルド・プロダクション」と「ワーナー・ブラザース」の合作『燃えよドラゴン』が製作されることに。主役はブルース・リー(役名は「李振強」。リーが本を手にするシーンがあり、その本の表紙には「強振李者作書本」と書かれている)。しかし、最初の脚本ではローパー役のジョン・サクソンが主役の予定だったという。これまでの作品ではリーの声は別人によって吹き替えられたものであったが、この『燃えよドラゴン』での英語のセリフは全てリー本人の肉声である、とのこと。その音声は同時録音もされていたが、完成作品はオールアフレコになっており、同録音源は現在、行方不明。また、本作のアフレコ中にリーは意識を失い卒倒、蘇生術で九死に一生を得るというアクシデントに見舞われたという(不吉な予感)。

共演者1

海外俳優&香港オールスター的なキャスティング。ジョン・サクソンはカラテを習っているということで出演決定。黒人カラテ「ウィリアムス」役のジム・ケリーはロスで道場を経営している男。リーとはアメリカ時代にロスで知り合ったという。「ミスター・ハン」を演じたシー・キエン。役の上だけではなく、本当に少林拳をマスターしていたとか。リーの父親の李海泉とキエンは昔からの友人だった、とのこと(リーはキエンのことを「叔父貴」と呼んでいたらしい)。諜報員「メイ・リン」を演じたベティ・チュンは役者ではなく歌手。あのベティ・ティンペイがこの役を演じる予定もあったとか。オハラ役のボブ・ウォールは、チャック・ノリスの親友。『ドラゴンへの道』でノリスに誘われて悪役を演じたのが評判となり、『燃えよドラゴン』にも出演することに(後に『死亡遊戯』にも出演)。

共演者2

この映画には後に香港映画を盛り上げる人たちが大勢登場。リーの妹(または姉)「スー・リン」を演じるアンジェラ・マオ。既に映画出演の経験があったアンジェラ。リーが撮影現場の彼女を訪ねて、スカウト。冒頭に行われる少林寺での試合でリーと戦うサモ・ハン。この頃はヘンに髪が長く、何となく不気味な印象(悪役での映画出演が多かった頃だった)。『死亡遊戯』に出演できなかった代わりとして出演。サモ・ハンはこのシーンの撮影のためだけに香港に緊急帰国したという。リーの師匠役を務めたロイ・チャオ。後に『プロテクター』でジャッキー・チェン、『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』でハリソン・フォードと共演。また、小型飛行機の操縦ができるため、島の空中撮影にも協力したとか。

共演者3

端役、スタントマンとして後の香港スターが出演。ジャッキー・チェンが「リーが地下基地で戦うシーン」に登場。首を折られたり、プールに落ちる役。リーのヌンチャクがジャッキーの顔面に当たってしまい、リーはジャッキーに謝罪したとのこと。ユン・ピョウはハンの手下役。マジメにカラテの稽古をする役どころ。ラム・チェンインはウィリアムスにぶっ飛ばされるシーン、宴会のシーン、格闘大会でリーに蹴られたオハラを受け止めるシーンに登場。ムキムキマンを演じたヤン・スエ。台湾系のカンフー作に多数出演。多くが「強いが最後には倒される役」。ヤン・スエ演じる「ボロ」に始末される役でマース(『ドラゴンロード』)、ウー・ミンサイ(『ウ・ミンサイの爆笑少林寺』)、チュン・ファット(『ファースト・ミッション』ほか)ら。スー・リン(アンジェラ・マオ)に急所を蹴られるジャッキーに似た男はウィルソン・タン。そのシーンにはタイ・ポー(『プロジェクトA』ほか)も登場。日本人では松崎真が力士役で出演しているとのこと。またリーがバク転するシーンではユン・ワーがスタントを担当。ユン・ワーは宴会のシーンにもチョイ役で登場。

ブルース・リー特集(10)

(予告編:YouTube)

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2022年2月2日水曜日

ブルース・リー特集(8)「懐かし映画劇場:映画ブログ」

「永遠のドラゴン」ブルース・リーを振り返るコーナー。主演カンフー作が連続大ヒットしたリー。主演第三弾は『ドラゴンへの道』。見所、エピソードをまとめてみました(後編)。

ブルース・リー特集(8)「懐かし映画劇場:映画ブログ」
ウォール&インシック(上)、ノリス

三人の格闘家

タンロン(ブルース・リー)にやられっぱなしのイタリアギャング。負けず嫌いのギャングのボスがタンロンを始末するために腕の立つ格闘家を呼ぶことに。三人の達人。アメリカ人のコルト(チャック・ノリス)、フレッド(ボブ・ウォール)、日本人の長谷平(ウォン・インシック)。「三人の刺客」はなかなかのメンバー。ノリスはリーがアメリカにいた頃にリーと知り合った、とのこと。ノリスの友人であるボブ・ウォールも同様。ウォン・インシックはキックが得意なテコンドーの達人。リーはインシックの蹴り技を高く評価していたという。

対決

野原に中国人たちをおびき出して決闘を仕掛けるギャング。「タンロン、従業員 vs. フレッド、長谷平」の変則マッチ。リーが異常な強さでボブ・ウォール、ウォン・インシックを倒すシーンが迫力。この「野原での戦い」はローマではなく、香港で撮影されたもの。ウォン・インシックが「お前はタンロンか?」というセリフを言うのがこのシーン(「おまいはタウロンが~」って言っているように聞こえる)。

コロッセオ

伝説の「ブルース・リー vs. チャック・ノリス」。準備運動して、ネコの鳴き声を合図に決闘開始。スゴイ戦い。コロッセオでは撮影許可が下りなかったため決闘のシーンは香港で撮影。カメラマンの西本正が撮ったコロッセオの写真を大きく伸ばして背景に設置。「リー vs. ノリス」はスタジオセットの中で行われた。

日本

日本ではこの作品が最後に劇場公開されたため、邦題は『最後のブルース・リー ドラゴンへの道』となった。最初が『燃えよドラゴン』。次いで『ドラゴン危機一発』『ドラゴン怒りの鉄拳』。

ブルース・リー特集(9)

(予告編:YouTube)

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2022年1月31日月曜日

ブルース・リー特集(7)「懐かし映画劇場:映画ブログ」

「永遠のドラゴン」ブルース・リーを振り返るコーナー。主演カンフー作が連続大ヒットしたリー。主演第三弾は『ドラゴンへの道』。見所、エピソードをまとめてみました(前編)。

『ドラゴンへの道』(1972年、原題:猛龍過江 THE WAY OF THE DRAGON)

(内容)

ローマにある中国人のレストランを助っ人タンロン(ブルース・リー)が守ろうとする。

ブルース・リー特集(7)「懐かし映画劇場:映画ブログ」
ローマの女性たち

主役

ブルース・リーがローマでイタリアギャングと戦う映画。アジアを飛び出して西洋人と戦うリー。デカい外国人にカンフーが通用するかどうか? この映画の製作の前にリーは「コンコルド・プロダクション」(「ゴールデン・ハーベスト」との共同出資会社)を設立。製作・監督・脚本・主演などを担当。イタリアでのロケで有名な映画。ローマでロケをした香港映画はこれが初めて、とのこと。アメリカ時代にある人物に個人指導したときリーはローマに立ち寄ったそうで、ローマが気に入ったことからこの映画の舞台がローマになった、と言われています。ローマに行ったのはリーとノラ・ミャオほか数人。しかも撮影許可が下りず、盗み撮り(ノラ・ミャオ談)。リーのリンダ夫人が一番気に入っているリーの作品。「主人公のタンロンが素顔のブルースに一番近いから」というのが理由。

田舎者

飛行機が早く到着してローマの空港でタンロン(ブルース・リー)がヒマをもてあます。中国服で目立つタンロンを横にいる西洋人のオバハンがジト~と見る。タンロンが笑顔を見せても笑わないオバハン(感じ悪い)。レストランに入っても言葉が通じないからメニューからテキトーに注文したら、「フン!」って態度のウエイトレスのオバハン。スープばかり持ってくるウエイトレス。これらのシーンは「アジア人を軽く見る西洋人」を表現したもの。アメリカ時代には「アジア人」ということでチャンスがもらえなかったリー。この作品でウップンを晴らそうとしたか。

ローマの中国人たち

いとこのチャン(ノラ・ミャオ)が経営するローマの中華レストラン。ギャングから店を売れ、と脅されている。ギャングに対抗するためにカラテの稽古をする従業員たち。チャンの叔父は暴力で対抗することに反対している。従業員役で登場するのはユニコーン・チャン(武術指導も担当)、トニー・リュウ、金帝ら。叔父役は『ドラゴン怒りの鉄拳』に悪役で出ていた男(人相が悪い)。ユニコーン・チャン、トニー・リュウはリーとは子供の頃からの仲間。コミカルな金帝。ホントはリーとしては『ドラゴン危機一発』で共演したリー・クンを起用したかったという。スケジュールの都合で金帝の出演が決定(それでよかった、と個人的に思う)。

ギャング

リーがイタリアギャングをぶっ飛ばす映画。ギャングのボス(ジョン・ベン)は結構しつこい男で、リーに警告されてもムキになってチャンのレストランを欲しがる。ボスの通訳は「ホー」という男。くねくねした動きで妙な言葉遣い。実に小賢しい奴(「ホー」を演じるのはウェイ・ピンアオ。『ドラゴン怒りの鉄拳』では日本人側の通訳だった男)。意外にだらしないギャングたち。複数でタンロンを襲うが歯が立たない。ドカンと蹴られてドテーンと倒れたりする。

ブルース・リー特集(8)

(予告編:YouTube)
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2022年1月25日火曜日

ブルース・リー特集(6)「懐かし映画劇場:映画ブログ」

「永遠のドラゴン」ブルース・リーを振り返るコーナー。『ドラゴン危機一発』が大ヒットしたリー。主演第二弾は『ドラゴン怒りの鉄拳』。見所、エピソードをまとめてみました(後編)。

ブルース・リー特集(6)「懐かし映画劇場:映画ブログ」
ノラ・ミャオ(上)、ロー・ウェイ

対決

チェン(ブルース・リー)が悪の日本人と戦う映画。日本人だけではなく、中国人・ロシア人も悪の手先となって精武館を侮辱。精武館の人相が悪すぎるコック(腹巻き男)、使用人(ハン・インチェ)、通訳「ウー」。そして日本人道場主の鈴木に保護されているロシア人格闘家ペトロフ(ボブ・ベイカー)。チェンと彼らの戦い、鈴木との戦いはどれも迫力。「コック」役の男は『ドラゴンへの道』にも登場。『ドラゴン危機一発』ではラスボスで、この映画では武術指導のハン・インチェは小さい役(ドカドカ殴られて絶命する役どころ)。ペトロフ役のボブ・ベイカーはリーのアメリカ時代の友人で、リーの要請で出演が実現した、とのこと。

ラブシーン

墓地で動物の焼き肉を食った後、婚約者ユアン(ノラ・ミャオ)と夢を語り合うチェン。リーがスクリーンで演じた唯一のラブシーン。ノラ・ミャオは「仕事」としてこのシーンの撮影に臨んだという。リーとノラ・ミャオは家族ぐるみの付き合い。リーはノラ・ミャオを妹のようにかわいがっており、『死亡遊戯』にも出演してもらう予定だった、とか。

ラスト

人力車ごとウーを投げ飛ばすチェン(「人が乗った人力車をあのように持ち上げるのは不可能で非現実的」とリーはそのシーンを拒んでいたらしい)。ぶっ飛ばして電柱に(何故、電柱? 目立たせるため?)。再び日本人道場に乗り込んだチェン。日本人(ラム・チェンインら)、メガネのオッチャン、ペトロフ、鈴木との戦い。鈴木が蹴られて庭までふっ飛ぶシーンでジャッキー・チェンがスタントマンとして活躍。

エピソード

この作品を撮影中、倉田保昭がリーを訪ね、対面。話によると倉田はリーに日本から持参した木製のヌンチャクをプレゼントしたとのこと。ヌンチャク自体はリーは既にイノサントから習っているリー。倉田との交流はリーにとってどんな意味があったのか? また、監督のロー・ウェイとリーが激しく口論した映画としても有名。この作品ではローは警察署長役で出演。1976年、この映画の続編として『レッド・ドラゴン/新・怒りの鉄拳』(ジャッキー・チェン主演)を製作。そのときも警察署長役で出演している。

ブルース・リー特集(7)

(予告編:YouTube)

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2022年1月23日日曜日

ブルース・リー特集(5)「懐かし映画劇場:映画ブログ」

「永遠のドラゴン」ブルース・リーを振り返るコーナー。『ドラゴン危機一発』が大ヒットしたリー。主演第二弾は『ドラゴン怒りの鉄拳』。見所、エピソードをまとめてみました(前編)。

『ドラゴン怒りの鉄拳』(1972年、原題:精武門 FIST OF FURY)

(内容)

しつこく中国人道場「精武館」を狙う日本人道場(室田日出男も所属)と精武館のチェン(ブルース・リー)が対決する。

ブルース・リー特集(5)「懐かし映画劇場:映画ブログ」
屈辱&怒り

主役

ブルース・リーが悪の日本人と戦う映画。監督はロー・ウェイ。武術指導は『ドラゴン危機一発』に続いてハン・インチェ。この映画でリーは主演と武術指導を担当(リーのアイデアによりヌンチャクが初めて登場)。製作にも参加するようになったリー。ロー・ウェイと激しく意見が衝突。撮影終了後、リーとローの関係がますます悪化。ローは『冷面虎』への主演をリーに要請したが脚本にクレームをつけてリーは応じなかったという。

舞台

舞台は「戦前の上海」(撮影は全て香港。ほとんどがスタジオ・セットでの撮影)。日本が中国に進出して大きな顔をしていた時代。中国人の武術道場「精武館」にしつこくイヤガラセをする日本人。精武館のチェン(ブルース・リー)が怒りを持って日本人道場に殴り込み。迫力のある戦い。ここでヌンチャク登場。日本人のやられ役としてラム・チェンイン、ウ・ミンサイらが出演。

精武館メンバー

「精武館」の師匠の急死。葬儀で取り乱すチェン。それをただ見ていることしかできない師範(ティエン・フォン)、チェンの婚約者(ノラ・ミャオ)、門弟たち(リー・クン、ジェームス・ティエン、トニー・リュウ、マリア・イーら)。ティエン・フォンは後に『ドラゴンロード』でジャッキー・チェンのオヤジ役を好演する人。リー・クンらは『ドラゴン危機一発』に続いて登場。このキャスティングは「ゴールデンハーベスト」とリーが二本製作する契約になっていたためと思われる。

悪の日本人

精武館を侮辱する日本人。本編には表現されていませんが、どうやら日本人は中国人がカンフーで団結して日本人に対抗することを恐れているらしい(清朝がカンフー使いを処刑した史実と同様の理屈)。日本人道場主「鈴木」を演じるのは橋本力。当時「勝プロ」に所属していた日本人俳優で、『大魔神』シリーズの大魔神役で有名。鈴木のボディガード役だった勝村淳は殺陣師で、「勝プロ」所属。勝新太郎のファンだったブルース・リー。勝に出演を依頼したが、叶わず。代わりに橋本、勝村が出演することに。橋本によると脚本がなく、ストーリーが全く分からなかったという。日本人に尻尾を振る通訳の「ウー」という男。「東亜の病人」なんて看板(結構立派でカネがかかっていそうな感じ)で精武館を侮辱。チェンの顔をペチペチするウー。その後、ウーはヒドイ目に。「ウー」を演じるのはウェイ・ピンアオ。リーの次の主演作『ドラゴンへの道』でも同じような役を熱演。

演出

「東亜の病人」看板は「侮辱」としてはなかなかのインパクト。看板を持って日本人道場に乗り込んだチェン。日本人(役の中国人)を叩きのめし、看板を叩き壊して「紙を食え」「次はガラスを食わす」と脅す。その前の「チェンが二人の敵を両手で投げ飛ばすシーン」では振り回される二人が人形になっている珍シーン(『燃えよドラゴン』でハンがリーに思いっ切り蹴られるシーンでもハンが人形になっていた)。その道場の壁には「室田日出男」の名札が。日本人に追われることになったチェン。新聞売り、人力車の車夫、電話の修理人に変装(これらの変装はロー・ウェイのアイデア、とのこと)。シリアスな映画ながら、リーのコミカルな面を出す演出がそれなりにある映画。それを「面白い」と解釈するか「ツッコミどころ」と見なすか。

ブルース・リー特集(6)

(予告編:YouTube)
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2022年1月20日木曜日

ブルース・リー特集(4)「懐かし映画劇場:映画ブログ」

「永遠のドラゴン」ブルース・リーを振り返るコーナー。香港に帰ってきたリー。主演第一弾『ドラゴン危機一発』。見所、エピソードをまとめてみました(後編)。

ブルース・リー特集(4)「懐かし映画劇場:映画ブログ」
氷室(上)、未公開シーン

うかれ気分

製氷工場でチンピラたちをぶっ倒したチェン(ブルース・リー)が工場の監督に昇進。ケンカに勝ってイイ気分。行方不明になったシュウのことをすっかり忘れて行進なんかしちゃったりする。メイに「ケンカに勝って、シュウたちのことを忘れちゃったの?」と泣きながら非難されるチェン。シュウのことを尋ねるために社長に会いに行ったら酒を飲まされ(自分から一気飲み?)、朝起きたら「いかがわしい店」で、しかもメイにバッタリ出くわし、クインにはイヤミを言われるなど散々。注目は「チェンが行進するシーン」。素顔は明るい人だったリー。いつもペラペラよくしゃべって、まるで自分が中心でないと気が済まない、みたいな人だったという。楽しそうに行進するシーンは演技ではなく「素の表情」。「いかがわしい店のシーン」は香港のファンには不評だったとか(そのシーンに登場する「ウーマン」役の女性はマラリンというタイの女優)。また、リーは酒は苦手でほとんど飲まなかったという。このシーンでは酔った演技をするため、本物の酒を飲んで撮影した、とのこと。

対決

夜中に工場を調べたチェンは「恐ろしいもの」を発見してしまう。「余計なことをするもんだ」ってな感じで現れたのが社長のバカ息子(+チンピラ軍団)。そして伝説の「氷室での戦い」。かなり強烈な決闘(いわゆる「ノコギリ直撃」のスチール写真が有名。このシーンが実際に撮影されたのかどうか、もファンには気になるところ)。ぶっ飛ばされた悪役が氷室の壁に人型の穴を開けるのはウケ狙い。そして社長のボンクラ息子とチェンの一騎打ち。「社長の息子」を演じるのはトニー・リュウ。ブルース・リーとは子供の頃からの知り合い。一緒にカンフーの練習をしたこともあるとか(トニー本人談)。素顔はナイスガイ。この映画では刃物を使う卑劣すぎる悪役。この映画での役どころが非常に印象が強い人。

決着

ラストはチェンとカンフーの達人でもある社長との戦い。戦いのシーンはとってもリアル。パンチやキックの「キレ」が凄い。社長役を演じたのはハン・インチェ。実際にカンフーができる人で、この映画の武術指導も担当。日本では『Gメン75』でもおなじみ。ラストシーンにふさわしい対決に注目。

未公開シーン

リーのファンにとって気になるのがカットされたシーン。編集的に不自然なシーンがあり、「撮影されたがカットされたのでは?」「そのフィルムは存在するのか?」というのがファンの長年の疑問。本編には入らなかったシーンとしては、リーが最後の決戦の前に女性を求めるシーン、などがあります。シナリオも途中で書き換えられたりするなど、いろいろ混乱があったこの映画。「とりあえず撮っておこう」みたいな感じでいろいろなシーンが撮影されたのだと思われます。アクション映画ではNGが多く発生しますが、そういうフィルムはどこへ行くんでしょうね? 可能な限り見てみたいものです。

ブルース・リー特集(5)

(予告編:YouTube)

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2022年1月16日日曜日

ブルース・リー特集(3)「懐かし映画劇場:映画ブログ」

「永遠のドラゴン」ブルース・リーを振り返るコーナー。香港に帰ってきたリー。主演第一弾『ドラゴン危機一発』。見所、エピソードをまとめてみました(前編)。

『ドラゴン危機一発』(1971年、原題:唐山大兄 THE BIG BOSS)

(内容)

田舎からタイに出稼ぎにきたチェン(ブルース・リー)が「怪しい製氷工場」の社長やチンピラたちと戦う。

ブルース・リー特集(3)「懐かし映画劇場:映画ブログ」
ノラ・ミャオ(上)、マリア・イー

「ブルース・リー」登場

ブルース・リーが大ブレイクするキッカケとなった映画。香港の歴代興行記録を塗り替える大ヒット。「唐山大兄」とはブルース・リーのこと。リーの斬新なカンフーが見せ場。ストーリーはかなり陰惨なモノで、刃物を使った衝撃的なシーンが多い。資金難でタイでロケすることに。ほとんどのシーンがタイでのロケ。エキストラもほとんどがタイ人。タイの暑さによりリーの体重は激減した、とか。また、アメリカとは違って「脚本なし」で製作が進んだ。リーは役しか知らされず、どういうシーンなのかは撮影の都度指示された、という。

ノラ・ミャオ

田舎からタイの大きな町に出稼ぎにきたチェン(ブルース・リー)。胸には「ケンカするな」という約束のペンダント。「のどが渇いたな」ということで、オヤジと一緒に氷水を飲むことに。「氷菓子屋のお姉さん」を演じるのはノラ・ミャオ。ブルース・リーとは家族ぐるみの付き合いがあったが、リーはアメリカで暮らしていたため、会ったのは香港帰国後。特別出演という形でリーの帰国第一弾『ドラゴン危機一発』に華を添えた。

ジェームス・ティエン

ヘンなチンピラがのさばっているタイの町。ムカッときたチェン。そこへやってきたのが「いとこ」のシュウ(ジェームス・ティエン)。チンピラを叩きのめすシュウ。なかなか強い男。「シュウ」を演じたティエン。本作品は当初ティエンが主役だったという。リーのカンフーがケタ外れなため、リー主役にシナリオが書き換えられた。ティエンとしては主役を奪われた形となったが、彼の心境はどうだったのだろう?

マリア・イー

シュウの兄弟は、長男のクイン(リー・クン)、メチャかわいい妹のメイ(マリア・イー)、その他(ラム・チェンインなど)。マリア・イーは「ゴールデンハーベスト」の「三大女優」。チェンに好感を持つ役どころ。リー・クンやラム・チェンインは後、ジャッキー・チェンと共演するなど香港映画には欠かせない俳優になった。

怪しい製氷工場

いとこたちと製氷工場で一緒に働くことになったチェン。翌朝出勤すると、佐藤蛾次郎みたいな顔した工場の監督に遅刻を注意され、かなりエラそうな監督の態度に初日からイラっとする。しかも、氷を倉庫に入れる作業をトチり、殴られる。落っことした氷の中に何かが入っているのに気付いた二人のいとこ。後、二人は呼び出され、工場長からそれが「麻薬」であることを知らされて、悪仲間に入ることを断ったら「氷詰め」にされてしまった(「仲間に入る」か「氷詰め」か、の二者択一システム)。なんとも恐ろしい工場だ。

怒り爆発

シュウも犠牲に。家族が帰ってくるまで仕事はしない、というクインたち。仕事のボイコットにキレた監督たちと大乱闘。戦えないチェンは様子見の状態。そこへチンピラがぶつかってきて、「誓いのペンダント」がパキッとな。怒り爆発のチェンが一人で全員をぶっ倒す。このシーンは前半の大きな見せ場であるが、ここでの凄まじいカンフーでリーは世界的なスーパースターに。

ブルース・リー特集(4)

(予告編:YouTube)
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2022年1月15日土曜日

ブルース・リー特集(2)「懐かし映画劇場:映画ブログ」

「永遠のドラゴン」ブルース・リーを振り返るコーナー。リーに関するデータ(体格、怪鳥音、特技ほか)、エピソードをまとめてみました。

ブルース・リー特集(2)「懐かし映画劇場:映画ブログ」
アメリカ時代のリー

身長は171cm。資料や関係者の話によってはそれより低かった、というものある。妻リンダは170cmと証言。「強さ」を売り物にしていた男。プロレスラーのように少し大きめにアピールする必要があったのかもしれない。視力が弱かったリー。普段はコンタクトレンズを使っており、サングラスを掛けていたのはカッコつけるためではなく、目を保護したかったからだと言われている。

怪鳥音(かいちょうおん)

リーの「アチョー」という叫び声(「怪鳥音」)。リーの映画は『燃えよドラゴン』を除いてリーの声は別人による吹き替え。しかし、この「アチョー」は他作品も本人の声だという。ただし、『死亡遊戯』の「怪鳥音」は別人の吹き替え。クリス・ケントとかいうよくわからない人が「ハチャー、ホチャー」と、気が抜けるような声でリー役を熱演。

トレーニング

「トレーニングの鬼」ブルース・リー。「指立て伏せ」ができるほどの力。雨の日以外はランニングするのが日課。雨の日はエクササイズ用の自転車で30分ほど走った、とか。しかし、有名になるにつれて路上でも決闘を申し込まれるようになったため、外を走るのは止めたとのこと(自宅にまで挑戦者が現れた、という話もある)。トレーニングマシンは特注の物。背中を伸ばすストレッチ的な器具を使ったとされているが、マネされるのを嫌がった妻リンダがリーの死後、アメリカに持ち帰ったという。それ以外にも電気仕掛けの健康器具(猪木の「リズムタッチ」みたいなもの?)を使っていたとされている。研究熱心なリー。好きなボクサーはモハメド・アリ。アリのビデオで特にフットワークを研究した、という。

特技

カンフーの動きを流用できたためか、ダンス(チャチャ)が得意だった。香港のダンスコンテストで優勝。華麗なダンスで女性にモテたといわれている。大学では哲学を専攻。得意科目とそうでないものが極端だったリー。理系がサッパリだったことと、競争がキツくないということで哲学を選んだ。自分に向いているものを選ぶセンスがあった。

友人

子供の頃から付き合いがあったのはユニコーン・チャン、トニー・リュー。この二人とはカンフー作で共演。ノラ・ミャオとは家族ぐるみの付き合い。ただし、リーがアメリカに行っていたので直接会ったのはアメリカ帰国後、とのこと(ノラ・ミャオ談)。サモ・ハンには『死亡遊戯』に出てもらいたい、とコンタクト。しかしスケジュールの都合により叶わず。その埋め合わせとしてサモ・ハンは『燃えよドラゴン』に出演。二人はじっくり話し合ってサモが『死亡遊戯』に出演できなかったことについて和解した。年上の日本人カメラマン西本正。『ドラゴンへの道』『死亡遊戯』の撮影担当。リーはスキヤキが好物だった、とのこと(西本、談)。撮影所で倉田保昭と面会。一緒に撮った写真はあまりにも有名。ジミー・ウォングによるとお互いの妻同士が友達で、リーと腕相撲をやったことがある、との話。アメリカ時代には豪華なスターたちに個人指導。弟子でもあり友人になったのはスティーブ・マックィーン、ジェームズ・コバーン、チャック・ノリス、ダン・イノサントら多数。イングリッド・バーグマンもリーがアクション指導を担当した「春の雨の中を」(69)でリーと会っている。 

ブルース・リー特集(3)

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ブルース・リー IN グリーン・ホーネット [DVD]

ブルース・リー IN グリーン・ホーネット 2 / 電光石火 -デジタル・ニューマスター版 [DVD]


2022年1月10日月曜日

ブルース・リー特集(1)「懐かし映画劇場:映画ブログ」

「永遠のドラゴン」ブルース・リーを振り返るコーナー。幼少時代からアメリカ時代まで。エピソードをまとめてみました。

ブルース・リー特集(1)「懐かし映画劇場:映画ブログ」。
子役時代

幼少時代

リーの父親は広東演劇の役者だった李海泉。オールラウンドな役者で、年齢とともにコメディを演じることが多くなっていったという。母は何愛瑜(香港の実業家の娘)。李海泉がアメリカ巡業中、サンフランシスコの病院で生まれたのがブルース・リー(1940年11月27日、辰の刻(午前8時))。本名は「李振藩」。女医に「ブルース」という名を提案されて英語名「ブルース・リー」に。「李小龍」とは子役時代に付けられた芸名。5人兄弟の次男(弟ロバート・リーは8歳下)。生後3ヶ月のときサンフランシスコで製作された映画『金門女』に出演。「女の赤ちゃん」役だったという。

子役

第二次世界大戦後、リーは子役として数多くの映画に出演。この頃の作品のいくつかはDVD化。「ブルース・リー アルティメット・コレクション」には『細路祥』『千萬人家』『苦海明燈』『孤星血涙』が収録されている。ユニコーン・チャンとは少年時代からの友達。子役時代にも二人は共演している。

渡米・結婚

リーが最初に習ったカンフーは太極拳。父から習ったという。1953年、詠春拳の使い手である葉問に弟子入り。その目的はケンカに強くなるため。その後、少林拳を習うため別の達人にも弟子入り。香港で行われたボクシング大会に出場し、前イギリス人チャンピオンを倒し優勝。喧嘩に明け暮れる日々。学校では嫌われ者。警察沙汰になるほどの果たし合い、脅迫状。父から渡米を命じられ、18歳のとき100ドルの所持金で単身渡米し、シアトルに移り住む。父の知り合いの家に泊めてもらえることになったリー。アルバイトと勉強の日々。ワシントン大学哲学科に進学。中国武術の指導で生活費を得る。同じ大学のリンダ・エメリーと結婚。次第に学校とは疎遠になったため、大学を中退し、道場経営に専念。そして、截拳道(ジークンドー)を創始。しかしながら、アメリカでは武術がちょっとしたブームに。生徒の奪い合いのような形で道場経営は上手くいかず。また、挑戦されることも増え、柔道家の鈴木から挑戦されたときは楽勝。鈴木はその後、弟子に。しかしながら、負けてリーを恨む者も。

TV出演

1966年、アメリカの「ロングビーチ国際空手選手権大会」で詠春拳の演武。TVシリーズ『グリーン・ホーネット』で「カトー」役を得る。これをきっかけにハリウッドの俳優に武術の個人指導をするようになり、TVや映画出演で顔を売ることができた(『バットマン』『復讐の鬼探偵ロングストリート』『かわいい女』ほか)。この頃に知り合ったのが大物スティーブ・マックイーン、ジェームズ・コバーン、チャック・ノリス、カリーム・アブドゥル=ジャバー、ダニー・イノサントら。マックイーンを指導した授業料でリーはポルシェを買い、ヌンチャクはこの頃イノサントから習ったという。コバーンとは一緒に脚本を手掛けた『サイレントフルート』で共演する予定だったが、リーの強引な態度によりコバーンは手を引いた、とされている。また、リーはコバーンと一緒の所を謎の敵に襲われたことがあり、コバーンは恐怖心から何もできなかったという。

帰国

良い仕事に恵まれず、道場経営もイマイチ。香港に帰って自分のアイデアを生かすことに。ユニコーン・チャンの紹介で「ショウ・ブラザーズ」と出演交渉。あまりにも出演料が安すぎるため交渉決裂。1970年、「ショウ・ブラザーズ」から独立したレイモンド・チョウが設立したばかりの「ゴールデン・ハーベスト」と1本1万香港ドルで2本の映画出演契約。あわてた「ショウ・ブラザーズ」はそれを上回るオファーをリーに提示したが、時既に遅し。そしてあの『ドラゴン危機一発』が製作される。 

ブルース・リー特集(2)

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2020年9月23日水曜日

懐かし映画劇場:ブルース・リー『死亡の塔』

「懐かし映画劇場:映画ブログ」格闘家が殺され、その弟が日本に乗り込んで敵を捜すカンフー映画。スピーディーなアクション、珍シーン。日本語吹替バージョンもオススメ。

(The Tower Of Death:1980年)

1.挑戦者
謎の挑戦者たちに狙われている格闘家のチンクー(ウォン・チェンリー)とビリー(ブルース・リー)。チンクーは「湯気の立つ熱々のお茶」を飲みながら戦う余裕ぶり。ビリーは温室で韓国の拳法家(カサノヴァ・ウォン)と戦う。

2.師匠
師匠(ロイ・チャオ)は武術の達人。弟子たち(ユン・ピョウなど)に稽古をつける。ビリーが弟ボビーのことで師匠に相談(この後、ブルース・リーの子役時代の映像が見られます)。

3.ナイトクラブ
急死したチンクー。日本のナイトクラブで働くチンクーの娘を訪ねるビリー(クラブの楽屋と路上で襲撃者と対決)。

4.「死の宮殿」
日本で殺された兄ビリーの死の真相を探るため来日したボビー。生きて出ることができない、という謎の屋敷に住むルイス(ロイ・ホラン)を訪ねる。この屋敷ではライオンが放し飼いにされ、エンジェルというセクシーな「夜の女性」もいる。

5.謎の兄弟
イエン兄弟に狙われているルイス。自信タップリな感じで二人を相手に戦う。

6.片腕の男
何かと怪しい片腕の男(ルイスの側近)を問いつめるボビー。「死亡の塔」や「相次ぐ格闘家の死」について何かを知ってそうな感じだったが・・・。

7.ターザン男
「死亡の塔」を守る番人。ヒョウ柄のコスチュームで敵と戦う男。

8.高圧電流の道
うっかり歩いてしまうと黒コゲになってしまう危険な通路。どうやって敵が潜む向こう側に渡るのか? 「死亡の塔」には落ちたらヤバそうな「血の池地獄」もある。 

9.タコ入道
黒幕を守る番人。武器を使ってボビーを襲う。つるつる滑ったりしながら戦う、ひょうきんな殺し屋だ。

10.ラスト
棺の向こうに隠れている黒幕。全ての謎が明かされるのか?

(予告編:YouTube)

注目ポイント
ブルース・リーの熱心なファンには評判が悪い作品だとか。私は昔、テレビ放送されたとき「吹き替えバージョン」を観て、面白いと思いました。この映画は「謎」がとても多い。誰なのか、なぜなのか、とか。考えても答えは作品中に出てきませんので、そういうことにしておこう、という感じで鑑賞しなければならないのです。それがこの作品の魅力かも。一つ一つの動きが妙に個性的。アクションシーンはブルース・リーの代役によるもの。だからこの映画を「ブルース・リーの映画」と認めない人も多いのです。アクション的には「銀座のクラブ・路上での戦い」「ルイスとイエン兄弟の対決」「片腕の男 vs ボビー」「死亡の塔での一連の戦い」など、実に盛りだくさん。夜の女エンジェルが登場するステキなシーン(このシーンだけでも観る価値アリ)、リーの子供時代の映像もオススメ。「スゴイ格闘シーン」と「個性的な演出」が楽しめる傑作です。
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