「永遠のドラゴン」ブルース・リーを振り返るコーナー。香港に帰ってきたリー。主演第一弾『ドラゴン危機一発』。見所、エピソードをまとめてみました(前編)。
『ドラゴン危機一発』(1971年、原題:唐山大兄 THE BIG BOSS)
(内容)
田舎からタイに出稼ぎにきたチェン(ブルース・リー)が「怪しい製氷工場」の社長やチンピラたちと戦う。
ノラ・ミャオ(上)、マリア・イー |
①「ブルース・リー」登場
ブルース・リーが大ブレイクするキッカケとなった映画。香港の歴代興行記録を塗り替える大ヒット。「唐山大兄」とはブルース・リーのこと。リーの斬新なカンフーが見せ場。ストーリーはかなり陰惨なモノで、刃物を使った衝撃的なシーンが多い。資金難でタイでロケすることに。ほとんどのシーンがタイでのロケ。エキストラもほとんどがタイ人。タイの暑さによりリーの体重は激減した、とか。また、アメリカとは違って「脚本なし」で製作が進んだ。リーは役しか知らされず、どういうシーンなのかは撮影の都度指示された、という。
②ノラ・ミャオ
田舎からタイの大きな町に出稼ぎにきたチェン(ブルース・リー)。胸には「ケンカするな」という約束のペンダント。「のどが渇いたな」ということで、オヤジと一緒に氷水を飲むことに。「氷菓子屋のお姉さん」を演じるのはノラ・ミャオ。ブルース・リーとは家族ぐるみの付き合いがあったが、リーはアメリカで暮らしていたため、会ったのは香港帰国後。特別出演という形でリーの帰国第一弾『ドラゴン危機一発』に華を添えた。
③ジェームス・ティエン
ヘンなチンピラがのさばっているタイの町。ムカッときたチェン。そこへやってきたのが「いとこ」のシュウ(ジェームス・ティエン)。チンピラを叩きのめすシュウ。なかなか強い男。「シュウ」を演じたティエン。本作品は当初ティエンが主役だったという。リーのカンフーがケタ外れなため、リー主役にシナリオが書き換えられた。ティエンとしては主役を奪われた形となったが、彼の心境はどうだったのだろう?
④マリア・イー
シュウの兄弟は、長男のクイン(リー・クン)、メチャかわいい妹のメイ(マリア・イー)、その他(ラム・チェンインなど)。マリア・イーは「ゴールデンハーベスト」の「三大女優」。チェンに好感を持つ役どころ。リー・クンやラム・チェンインは後、ジャッキー・チェンと共演するなど香港映画には欠かせない俳優になった。
⑤怪しい製氷工場
いとこたちと製氷工場で一緒に働くことになったチェン。翌朝出勤すると、佐藤蛾次郎みたいな顔した工場の監督に遅刻を注意され、かなりエラそうな監督の態度に初日からイラっとする。しかも、氷を倉庫に入れる作業をトチり、殴られる。落っことした氷の中に何かが入っているのに気付いた二人のいとこ。後、二人は呼び出され、工場長からそれが「麻薬」であることを知らされて、悪仲間に入ることを断ったら「氷詰め」にされてしまった(「仲間に入る」か「氷詰め」か、の二者択一システム)。なんとも恐ろしい工場だ。
⑥怒り爆発
シュウも犠牲に。家族が帰ってくるまで仕事はしない、というクインたち。仕事のボイコットにキレた監督たちと大乱闘。戦えないチェンは様子見の状態。そこへチンピラがぶつかってきて、「誓いのペンダント」がパキッとな。怒り爆発のチェンが一人で全員をぶっ倒す。このシーンは前半の大きな見せ場であるが、ここでの凄まじいカンフーでリーは世界的なスーパースターに。
ブルース・リー特集(4)
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