「永遠のドラゴン」ブルース・リーを振り返るコーナー。主演カンフー作が連続大ヒットしたリー。主演第三弾は『ドラゴンへの道』。見所、エピソードをまとめてみました(前編)。
『ドラゴンへの道』(1972年、原題:猛龍過江 THE WAY OF THE DRAGON)
(内容)
ローマにある中国人のレストランを助っ人タンロン(ブルース・リー)が守ろうとする。
ローマの女性たち |
①主役
ブルース・リーがローマでイタリアギャングと戦う映画。アジアを飛び出して西洋人と戦うリー。デカい外国人にカンフーが通用するかどうか? この映画の製作の前にリーは「コンコルド・プロダクション」(「ゴールデン・ハーベスト」との共同出資会社)を設立。製作・監督・脚本・主演などを担当。イタリアでのロケで有名な映画。ローマでロケをした香港映画はこれが初めて、とのこと。アメリカ時代にある人物に個人指導したときリーはローマに立ち寄ったそうで、ローマが気に入ったことからこの映画の舞台がローマになった、と言われています。ローマに行ったのはリーとノラ・ミャオほか数人。しかも撮影許可が下りず、盗み撮り(ノラ・ミャオ談)。リーのリンダ夫人が一番気に入っているリーの作品。「主人公のタンロンが素顔のブルースに一番近いから」というのが理由。
②田舎者
飛行機が早く到着してローマの空港でタンロン(ブルース・リー)がヒマをもてあます。中国服で目立つタンロンを横にいる西洋人のオバハンがジト~と見る。タンロンが笑顔を見せても笑わないオバハン(感じ悪い)。レストランに入っても言葉が通じないからメニューからテキトーに注文したら、「フン!」って態度のウエイトレスのオバハン。スープばかり持ってくるウエイトレス。これらのシーンは「アジア人を軽く見る西洋人」を表現したもの。アメリカ時代には「アジア人」ということでチャンスがもらえなかったリー。この作品でウップンを晴らそうとしたか。
③ローマの中国人たち
いとこのチャン(ノラ・ミャオ)が経営するローマの中華レストラン。ギャングから店を売れ、と脅されている。ギャングに対抗するためにカラテの稽古をする従業員たち。チャンの叔父は暴力で対抗することに反対している。従業員役で登場するのはユニコーン・チャン(武術指導も担当)、トニー・リュウ、金帝ら。叔父役は『ドラゴン怒りの鉄拳』に悪役で出ていた男(人相が悪い)。ユニコーン・チャン、トニー・リュウはリーとは子供の頃からの仲間。コミカルな金帝。ホントはリーとしては『ドラゴン危機一発』で共演したリー・クンを起用したかったという。スケジュールの都合で金帝の出演が決定(それでよかった、と個人的に思う)。
④ギャング
リーがイタリアギャングをぶっ飛ばす映画。ギャングのボス(ジョン・ベン)は結構しつこい男で、リーに警告されてもムキになってチャンのレストランを欲しがる。ボスの通訳は「ホー」という男。くねくねした動きで妙な言葉遣い。実に小賢しい奴(「ホー」を演じるのはウェイ・ピンアオ。『ドラゴン怒りの鉄拳』では日本人側の通訳だった男)。意外にだらしないギャングたち。複数でタンロンを襲うが歯が立たない。ドカンと蹴られてドテーンと倒れたりする。
ブルース・リー特集(8)
0 件のコメント:
コメントを投稿