2022年2月7日月曜日

ブルース・リー特集(9)「懐かし映画劇場:映画ブログ」

「永遠のドラゴン」ブルース・リーを振り返るコーナー。主演カンフー作が連続大ヒット。ついにハリウッド作に出演。『燃えよドラゴン』。見所、エピソードをまとめてみました(前編)。

『燃えよドラゴン』(1973年、原題:ENTER THE DRAGON 龍争虎闘)

(内容)

少林寺の高弟リー(ブルース・リー)が「ミスター・ハン」という悪者が住む島に乗り込んで悪党どもと戦う。

ブルース・リー特集(9)「懐かし映画劇場:映画ブログ」
ジャッキー(上右)、ユン・ピョウ(下右)

「香港のブルース・リー」から「世界のブルース・リー」へ

あまりにもエピソードが多い映画。アメリカ時代、ハリウッドから良いチャンスがもらえなかったブルース・リー。まずは香港でスターになってから再びアメリカ市場に挑戦する計画。『ドラゴン危機一発』『ドラゴン怒りの鉄拳』『ドラゴンへの道』が大ヒット。そしてついにブルース・リーの「コンコルド・プロダクション」と「ワーナー・ブラザース」の合作『燃えよドラゴン』が製作されることに。主役はブルース・リー(役名は「李振強」。リーが本を手にするシーンがあり、その本の表紙には「強振李者作書本」と書かれている)。しかし、最初の脚本ではローパー役のジョン・サクソンが主役の予定だったという。これまでの作品ではリーの声は別人によって吹き替えられたものであったが、この『燃えよドラゴン』での英語のセリフは全てリー本人の肉声である、とのこと。その音声は同時録音もされていたが、完成作品はオールアフレコになっており、同録音源は現在、行方不明。また、本作のアフレコ中にリーは意識を失い卒倒、蘇生術で九死に一生を得るというアクシデントに見舞われたという(不吉な予感)。

共演者1

海外俳優&香港オールスター的なキャスティング。ジョン・サクソンはカラテを習っているということで出演決定。黒人カラテ「ウィリアムス」役のジム・ケリーはロスで道場を経営している男。リーとはアメリカ時代にロスで知り合ったという。「ミスター・ハン」を演じたシー・キエン。役の上だけではなく、本当に少林拳をマスターしていたとか。リーの父親の李海泉とキエンは昔からの友人だった、とのこと(リーはキエンのことを「叔父貴」と呼んでいたらしい)。諜報員「メイ・リン」を演じたベティ・チュンは役者ではなく歌手。あのベティ・ティンペイがこの役を演じる予定もあったとか。オハラ役のボブ・ウォールは、チャック・ノリスの親友。『ドラゴンへの道』でノリスに誘われて悪役を演じたのが評判となり、『燃えよドラゴン』にも出演することに(後に『死亡遊戯』にも出演)。

共演者2

この映画には後に香港映画を盛り上げる人たちが大勢登場。リーの妹(または姉)「スー・リン」を演じるアンジェラ・マオ。既に映画出演の経験があったアンジェラ。リーが撮影現場の彼女を訪ねて、スカウト。冒頭に行われる少林寺での試合でリーと戦うサモ・ハン。この頃はヘンに髪が長く、何となく不気味な印象(悪役での映画出演が多かった頃だった)。『死亡遊戯』に出演できなかった代わりとして出演。サモ・ハンはこのシーンの撮影のためだけに香港に緊急帰国したという。リーの師匠役を務めたロイ・チャオ。後に『プロテクター』でジャッキー・チェン、『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』でハリソン・フォードと共演。また、小型飛行機の操縦ができるため、島の空中撮影にも協力したとか。

共演者3

端役、スタントマンとして後の香港スターが出演。ジャッキー・チェンが「リーが地下基地で戦うシーン」に登場。首を折られたり、プールに落ちる役。リーのヌンチャクがジャッキーの顔面に当たってしまい、リーはジャッキーに謝罪したとのこと。ユン・ピョウはハンの手下役。マジメにカラテの稽古をする役どころ。ラム・チェンインはウィリアムスにぶっ飛ばされるシーン、宴会のシーン、格闘大会でリーに蹴られたオハラを受け止めるシーンに登場。ムキムキマンを演じたヤン・スエ。台湾系のカンフー作に多数出演。多くが「強いが最後には倒される役」。ヤン・スエ演じる「ボロ」に始末される役でマース(『ドラゴンロード』)、ウー・ミンサイ(『ウ・ミンサイの爆笑少林寺』)、チュン・ファット(『ファースト・ミッション』ほか)ら。スー・リン(アンジェラ・マオ)に急所を蹴られるジャッキーに似た男はウィルソン・タン。そのシーンにはタイ・ポー(『プロジェクトA』ほか)も登場。日本人では松崎真が力士役で出演しているとのこと。またリーがバク転するシーンではユン・ワーがスタントを担当。ユン・ワーは宴会のシーンにもチョイ役で登場。

ブルース・リー特集(10)

(予告編:YouTube)

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