「懐かし映画劇場:映画ブログ」革命でニューヨークに逃れた王様(チャップリン)が慣れない暮らしに戸惑う。共産主義狩りや当時の流行を批判するメッセージが込められた映画です。
(A King in New York:1957年)
欧州のある国の王様シャドフ(チャールズ・チャップリン)。原子力の平和利用を訴えるが反対派に追われ、ニューヨークに逃れる。同じく亡命した首相ブーデルが国庫から現金や有価証券を持ち出したため、その資産でシャドフはしばらくはニューヨークの高級ホテル「リッツ」で静かに過ごせるはずだったが・・・。
シャドフ(左)、大使 |
2.災難
ブーデルが南米に逃亡。金欠になってしまったシャドフ。大使と共に金策に走ることに。しかも、アメリカの流行(うるさい音楽、暴力的な映画)、共産主義を嫌悪しすぎる風潮にも馴染めない。
騒々しいレストラン |
3.女
CM女優アン・ケイ(ドーン・アダムス)に一杯食わされてしまうシャドフ。パーティーに出席しているところをTVカメラで隠し撮りされてしまう。
シャドフとアン |
4.ブレイク
シャドフが「ユーモラスな王様」といった感じでアメリカで人気者に。CM出演のオファーが殺到し、金欠のシャドフは心が揺れる。
CM撮影 |
5.少年
(なぜか)少年院を慰問するシャドフ。ふざけたガキばかりの少年院にウンザリ。特にウンザリなのが妙に政治的な発言をする「ルパート」という少年。
よーしゃべる少年 |
6.追及
ルパートの両親は共産主義者。ルパートがシャドフの部屋に滞在したことがマスコミに発覚。シャドフはアメリカの法廷に呼ばれ、そのことへの説明を求められてしまう・・・。
法廷 |
(コメント)
「喜劇王」チャップリン。年を取るに連れて作品も「社会的メッセージ」が込められたものになっていく。いわゆる「赤狩り」を描いた映画。共産主義に神経質なアメリカ(ソ連の台頭・スパイ活動に敏感になっていた時代)。亡命中の王様シャドフも調査の対象に。どんな結末になるか? 政治色が感じられる映画。個人的にはヨーロッパの王様がアメリカでの暮らしに馴染めずトチるシーンが面白かった。騒々しい映画館、レストランのやかましい音楽バンド(料理を注文しても聞いてもらえないほど)、少年院でイタズラされるシーン、CMの仕事をするシーン、整形に失敗してしまう珍シーン、クラブで芸人のパフォーマンスに思わず爆笑、怪しいグラサン男に追われるシーン(回転ドアに注目)、エレベーターで消防ホースと格闘&法廷での混乱、に特に注目されたい。政治メッセージとチャップリンらしいギャグの傑作。カルチャーギャップが見せ場です。
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