懐かし映画劇場：チャップリン『ライムライト』

「懐かし映画劇場：映画ブログ」老いた道化が若い女性を助けたことで人生が変わっていく。チャップリンが時代遅れの芸人を演じる。深い愛、名言、バスター・キートンに注目です。

（Limelight：1952年）

１．出会い

1914年、ロンドン（第一次大戦が近づいている状況）。年老いた芸人カルベロ（チャールズ・チャップリン）。酔ってアパートに帰宅。ガスの臭いに気付く。下の階に住む若い女テリー（クレア・ブルーム）が薬を飲んでガス自殺を図ったらしい。

ハプニング

２．落ち目

お客に全くウケないカルベロ（つまらん歌、ノミの曲芸）。かつては大きな劇場に出演したこともあるが、今ではそのつまらなさに客が途中退席するほど。そんなカルベロだが、人生に絶望するテリーを励ます（「人生は全て願望」「必要なのは勇気、想像力、少しのお金」といった名言）。

ネタが古い？

３．逆転

ウケないうえに契約を解除されてしまったカルベロ。さすがに落ち込む。絶望していたテリーが逆にカルベロを励ますようになっていく。

励まし

４．スターに

エンパイア劇場に出演することになったテリー。お客と興行主ポスタント（ナイジェル・ブルース）から絶賛される。自分の役割を終えたと感じたカルベロはテリーの元を去っていく。

大きな舞台

５．愛

作曲家のネビル（シドニー・チャップリン）から愛されるテリー。しかし、カルベロに命を救われたこともあり、テリーが愛するのはカルベロだけ。

テリーとネビル

６．公演

流しの歌で稼ぐカルベロにポスタントが大きな舞台を用意。劇場で定番ネタ、パートナー（バスター・キートン）と組んで音楽ネタをやることに。古いギャグだが、お客は大ウケ。アンコールに応えることにしたカルベロだが・・・。

夢の共演

（コメント）

チャップリン監督・製作・脚本・主演した137分の映画。「ライムライト」とは「舞台用の照明」のこと。老人のカルベロに若いテリーが結婚を申し込む、というストーリー展開はちょっとムリがあるような気がする。「年寄りだから」という理由でテリーの求婚を断るカルベロ（それが普通）。非常にプラトニックな愛が描かれています。この映画の見所はカルベロの名言、全く面白くない古いギャグ（「ウケないギャグ」のはずですが、公演では大ウケ。「さくら」の客もいたようですが、お客の心理はよくわかりませんね）、無私の愛。映画的にはチャップリンとキートンの共演シーンがオススメ（楽屋のシーン、舞台でピアノやバイオリンが無茶苦茶になるシーン、楽譜を落としまくるシーンが楽しい）。ネビル役のシドニー・チャップリンはチャップリンの二男。「見守る愛」を描いた傑作。カルベロのセリフに注目です。

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