「懐かし映画劇場:映画ブログ」トメニアに住むユダヤ人床屋(チャップリン)がファシズムに巻き込まれる。ラストの演説、独裁者同士の会談、「名曲&ヒゲ剃り」に注目です。
(The Great Dictator:1940年)
トメニア(架空の国)の兵隊チャーリー(チャールズ・チャップリン)。いちいちドジる男。不発弾のチェック、手榴弾攻撃、味方とはぐれて敵と合流。負傷兵シュルツ(レジナルド・ガーディナー)を救助して飛行機で逃走するが、墜落。泥まみれになったうえ、記憶を失う。
ドジな兵隊 |
2.社会復帰
病院から勝手に抜け出したチャーリー。トメニアでは第一次世界大戦後に政変が起こり、ヒンケル(チャップリン:一人二役)による独裁体制が成立。ヒンケルはユダヤ人を憎悪。それを知らないユダヤ人のチャーリーはゲットー(ユダヤ人街)で床屋の仕事に復帰するが・・・。
早速、トラブル |
3.突撃隊
ヒンケル配下の突撃隊がゲットーでユダヤ人に嫌がらせしたり、略奪したり。そのことに不満を持つユダヤ人女性ハンナ(ポーレット・ゴダード)。突撃隊に抵抗するチャーリーに好感を持つ。
ハンナとチャーリー |
4.独裁者
オスタリッチ(架空の国)進駐計画で忙しいヒンケル。防護服・落下傘の実験や肖像画制作にも余念がない。しかし、忙しすぎて部下やペンに八つ当たり。進駐資金をユダヤ人実業家から引き出すため、ユダヤ人排斥を一時ストップする。
手紙を出そう |
5.戦友
かつて負傷しチャーリーに助けられたシュルツは今ではトメニアの幹部。しかし、オスタリッチ進駐計画でヒンケルと対立。収容所送りに。これまでシュルツのおかげで平穏だったゲットーが混乱に陥る。
ヒンケルの不興を買う |
6.もう一人の独裁者
ある国の首相ナパロニ。彼もまたオスタリッチに進駐する計画を持つ。そのことでヒンケルと会談するが、互いに張り合う。
意地っ張り同士 |
7.進駐
トメニアがナパロニを出し抜いてオスタリッチへ進駐。避難していたハンナのところにもトメニア兵が。そんなとき収容所を脱走したチャーリーとシュルツが進駐成功を祝うトメニアの集会に出席することに・・・。
何を語るのか? |
(コメント)
1940年の映画。映画ではチャップリン演じる「ユダヤ人床屋」が平和を訴え、独裁者の破滅を予想するシーンで終わりますが、その後、多くのユダヤ人が犠牲になり、人類は今でも争い続けています。憎まれることをした独裁者が破滅する予想は当たりましたが、それ以外のことはどうか? ユダヤ人を憎悪する独裁者とユダヤ人床屋がソックリだったことで起こる騒動を描いた映画。シリアスなストーリーながら「笑いのシーン」も多数。チャーリーが不発弾に狙われるシーン(ブラームスの舞曲でヒゲを剃るシーンもオススメ)、ハンナがフライパンで突撃隊を殴るシーン、ヒンケルが地球儀で遊んだり、ナパロニとしょーもないことで張り合ったりするシーン(定位置で止まらない列車、イスの高さで張り合う、マスタードで死にかけ、オストリッチ進駐で口論)、ほか。シリアスな内容をドジ系ギャグで表現した映画。こういった平和を訴える映画があっても平和にならない人類。「貪欲が世界を破滅させる」というラストのチャーリーの演説は人類には届かないようです。
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