日本では「広川太一郎の吹き替え」で有名な人。ブルース・リー後の香港映画界を支えた男。『ミスター・ブー』シリーズ、『キャノンボール』が懐かしい。記憶に残る香港映画スターを紹介するコーナー。主な出演作と印象的なシーンを振り返る。
①『Mr.Boo! ミスター・ブー』(The Private Eyes:1976年)
私立探偵事務所「萬能私家偵探社」の所長「ウォン」の役。「総督と握手した写真」が自慢の人。頭はキレるが、ドジ。自分が投げた鍋に当たって失神したり、カンフー使いの万引き犯にぶっ飛ばされたり、武装強盗ともみ合って足を折ったり。体当たりの男。
②『Mr.Boo!インベーダー作戦』(The Contract:1978年)
売れない芸能人「シップ」の役。歌とダンスがド下手なタレント。MTVテレビと8年間の専属契約を結んでいるが、つまらない仕事ばかり(しかもトチる)。隣の局でやった司会の仕事が好評。チャンス到来か?
③『Mr.Boo!ギャンブル大将』(Games Gamblers Play:1974年)
マヌケなギャンブラー「ブン」の役。刑務所で知り合ったギッ(サミュエル・ホイ)と組んで、高利貸しの親分チュンからカネを騙し取ろうとするが・・・。
④『Mr.Boo! 天才とおバカ』(The Last Message:1975年)
「恒生精神病院」の雑用係「アティム」の役。仕事はサボりがち。霊安室の遺体から金歯を抜き取るなど、不謹慎かつダラけた男。何とかカネ持ちになって、今の暮らしから抜け出そうとしている。
⑤『新Mr.Boo!アヒルの警備保障』(Security Unlimited:1981年)
ウォン警備会社のチャウ隊長。横暴で時代遅れでホラ吹きの嫌われ者。社長の息子(フォン・ツイファン)に非難され、格下げ。それでも頑張る男。造船所の窃盗事件を追うシーン、新入社員に講習するシーン、船上パーティーの警備でカニを食べるシーン、展覧会を警備するシーン、が楽しい。
⑥『キャノンボール』(The Cannonball Run:1981年)
ジャッキー・チェンとの「日本人チーム」でキャノンボールレースに参加する役。コンピューター搭載のハイテク車なのに道を間違えるドジっぷり。ルールもイマイチわかってない様子。
⑦『新Mr.Boo!鉄板焼』(Teppanyaki:1984年)
鉄板焼店の婿養子「ジョニー」の役。いつも酔っぱらっていて猟銃をすぐにぶっぱなす義父(ロー・ホイパン)、意地が悪いデブ妻にウンザリの毎日。店に客としてやってきた美女シーシー(サリー・イップ)に一目惚れ。つかの間のデートを楽しむシーンが楽しい映画。
⑧『プロジェクトBB』(Rob-B-Hood:2006年)
泥棒の役。仲間のサンダル(ジャッキー・チェン)とフリーパス(ルイス・クー)を乗せて逃走させる役目。「妻が精神を病んでいる」という設定のためか、彼が笑いを取るシーンがあまり無いのが残念(日本語吹き替え版で観たら面白い、と言う人もいます)。
(感想)
なぜ「ブー」なんでしょうね(見た目があんまりカッコ良くないから? 失礼ね)。『Mr.Boo!』って別にシリーズものではないんですよね。勝手に日本でシリーズ扱いされてるだけで(ですよね?)。でもシリーズ扱いした方が売り込みやすいというのも事実。『沈黙の~』『燃えよデブゴン~』とか。ホイ兄弟の作品は「ドジ」系のギャグで笑いを取るタイプのもの。いろいろやるけどドジって失敗する役。その分、楽しく観ることができます。ただし、『Mr.Boo! 天才とおバカ』では「意地汚い男」の役なので、人相も悪く、あまり作品も面白くない。『Mr.Boo! ミスター・ブー』『新Mr.Boo!アヒルの警備保障』は傑作。昔のファンには「広川太一郎の吹き替え」が入っているDVDをオススメします。
(予告編:YouTube)
『Mr.Boo!インベーダー作戦』
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