『燃えよドラゴン』の独裁者役シー・キエン、リーの弟子ボブ・ウォール、筋肉とカンフーで戦うヤン・スエ。悪役系の人たちを紹介します。記憶に残る香港映画スターを紹介するコーナー。主な出演作と印象的なシーンを振り返る。
シー・キエン「表情が個性的なミスター・ハン」
①『燃えよドラゴン』(Enter the Dragon:1973年)
私有の島で怪しいことをやっている男「ミスター・ハン」の役。片手が義手。残忍な性格で、ウイリアムス(ジム・ケリー)に制裁を加えるシーンは戦慄モノ。最後は鏡の部屋でリー(ブルース・リー)と一騎打ち。
②『Mr.Boo! ミスター・ブー』(The Private Eyes:1976年)
強盗団のボス。なかなか残酷な男。強盗団のメンバーにはマース(ジャッキー映画でおなじみ)もいる。映画館を占拠。客から金品を巻き上げて逃げようとするが・・・。
③『ヤング・マスター/師弟出馬』(The Young Master:1980年)
警察署長の役。のんびりくつろいでいるフリをして、うっかり油断したドラゴン(ジャッキー・チェン)を(無実の罪で)逮捕。「底なし沼」のシーンにも注目。
④『男たちの挽歌III アゲイン 明日への誓い』(A Better Tomorrow III:1989年)
南ベトナムで薬屋を経営する男。息子のマン(レオン・カーフェイ)、甥のマーク(チョウ・ユンファ)と一緒に混乱のベトナムから脱出しようとする。
(感想)
ニヤリと笑うクールな悪役。『燃えよドラゴン』では用心棒の「ボロ」を殺されてブチキレる(冷静さを装っていたのに、本性をムキ出しにしてしまう場面)。『Mr.Boo! ミスター・ブー』『ヤング・マスター/師弟出馬』ではコミカルな表情を見せる役。『男たちの挽歌III アゲイン 明日への誓い』は「疲れた男」といった感じ。やはり「ミスター・ハン」が一番インパクトがある人。
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ボブ・ウォール「オハラ役で映画史に名を残した男」
①『ドラゴンへの道』(The Way of the Dragon:1972年)
マフィアの手先になって中国人レストランの従業員と戦う役。アメリカ人武術家ゴードン(チャック・ノリス)の弟子。タンロン(ブルース・リー)と戦うシーンが見せ場。
②『燃えよドラゴン』(Enter the Dragon:1973年)
独裁者ハン(シー・キエン)の用心棒「オハラ」。少林寺のリー(ブルース・リー)の妹を死に追いやった冷酷な男。顔のキズはその時のもの。格闘大会でリーと一騎打ち。
③『死亡遊戯』(Game of Death:1978年)
国際シンジケート組織の殺し屋。カラテ使い。マカオでのカラテ世界選手権でロー・チェン(サモ・ハン)と戦い、その後ロッカールームでビリー・ロー(ブルース・リーの代役)と一騎打ち。
(感想)
「リーの強さ」を印象づける役どころ。『ドラゴンへの道』『燃えよドラゴン』では思いっ切り蹴りを食らう。『燃えよドラゴン』で劣勢になったオハラがビール瓶を使うシーン。ハンが「オハラ!」と叫ぶシーンが印象的。『死亡遊戯』のロッカールームのシーンはよくできていると思う。リーが生きていたら、あんな感じの迫力のあるシーンを撮っていたのではないかな、と。
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ヤン・スエ「最後はやられてしまう筋肉マン」
①『燃えよドラゴン』(Enter the Dragon:1973年)
島を所有するハン(シー・キエン)の用心棒。ムキムキな体で威圧感を出している。「島の警備を怠った者」を制裁し、最後はローパー(ジョン・サクソン)と対決。
②『クローン人間ブルース・リー 怒りのスリー・ドラゴン』(THE CLONES OF BLUCE LEE:1977年)
ルーカス教授(ジョン・ベン)が造ったブルース・リーのクローンにカンフーを教える教官の役。クローンたちの成長を温かい目で見守るが、最後はクローンと対決。
③『香港発活劇エクスプレス 大福星』(My Lucky Stars:1985年)
妻を歯科医に盗られてしまう「残念な夫」の役。その歯科医と間違えて強盗の「ひげ」にパンチを食らわす。
(感想)
この人も「引き立て役」が多い。強いんですけども、最後はやられる。仕方がない。悪役ばかりだもの。『香港発活劇エクスプレス 大福星』では妻に浮気されてイライラしてる役。怒りにまかせて「ひげ」にパンチを食らわすけど、キッド(サモ・ハン)のハッタリでゴマかされてしまう(「歯科医」はその後、どうなったんだろう?)。ジャン=クロード・ヴァン・ダム『ダブル・インパクト』にフィリップ・チャン(『五福星』の警部役)と一緒に出演。ドラマ『Gメン'75』ではカンフー使いの悪役。見た目がゴツいから悪役が多いのね。
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