ボロボロのカッコで赤い鼻のユエン・シャオティエン、ジャッキーの初期カンフー作でおなじみリー・マンチン、『少林寺』シリーズのユエ・ハイ。記憶に残る香港映画スターを紹介するコーナー。主な出演作と印象的なシーンを振り返る。
ユエン・シャオティエン「ボロい格好のオッチャン」
①『スネーキーモンキー 蛇拳』（Snake In The Eagle's Shadow：1978年）
蛇拳の達人。百年に渡って争っている蛇形派と鷹爪派。鷹爪派の上官逸雲（ウォン・チェンリー）に命を狙われている。カンフー道場の雑用係「簡福（ジャッキー・チェン）」と親しくなり、蛇拳を伝授。
②『ドランクモンキー 酔拳』（Drunken Master：1978年）
「酔拳」の達人「蘇化子」の役。カンフー道場のドラ息子「黄飛鴻（ジャッキー・チェン）」を飛鴻のオヤジ「黄麒英」に頼まれて徹底的にシゴく。負けたことがない、と豪語しているが、酒が切れると案外弱い。
③『ジャッキー・チェンの必殺鉄指拳』（Master With Crack Fingers：1978年）
汚いオッチャン「宿無し大将」の役。親を殺された少年リュウにカンフーを教える。大人になったリュウ（ジャッキー・チェン）を陰で見守り、リュウが働く食堂にショバ代を要求する「麻雀大将（ディーン・セキ）」と対決（珍シーン連発の場面）。
④『少林寺三十六房』（The 36th Chamber of Shaolin：1978年）
チョイ役でチラッと登場。
（感想）
ある役が当たるとそのイメージが残ってしまう。汚い格好して、鼻が赤い酔っぱらいキャラ。『ドランクモンキー 酔拳』の後に亡くなったとか。それまでは全然売れなかったのかな？ 年取って有名になって死亡するなんて。売れないよりはマシか。
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リー・マンチン「ジャッキー映画の常連」
①『キラー・ドラゴン/流星拳』（The Killer Meteors：1977年）
花無病（ジャッキー・チェン）の妻（花雨）の用心棒である「四天王」の一人。「鬼道士」という狡猾な策士を演じた。
②『成龍拳』（To Kill With Intrigue：1977年）
飛竜警備隊の隊員の役。盗まれた宝を追う飛竜警備隊。隊長と小雷（ジャッキー・チェン）が兄弟分に。
③『蛇鶴八拳』（Snake & Crane Arts Of Shaolin：1977年）
「蛇鶴八拳」の極意が書かれた「虎の巻」を狙う男の役。「虎の巻」を持つ男、徐英風（ジャッキー・チェン）につきまとうが、悪役ではない。変な髪型でユーモラスなキャラ。
④『カンニング・モンキー/天中拳』（Half A Loaf Of Kung-Fu! ：1978年）
カンフーの達人。はびこる盗賊団を一網打尽にするため、計画を立案。へなちょこなコウ（ジャッキー・チェン）や一番弟子のヘッコキ風太郎（ディーン・セキ）らと共に盗賊団と戦う。
⑤『拳精』（Spiritual Kung-Fu：1978年）
少林寺の僧侶の役。殺人の濡れ衣を着せられて、寺から退避。「七殺拳」のルーツァオ（ジェームス・ティエン）に痛めつけられるイーロン（ジャッキー・チェン）を助ける。
（感想）
「カンフーの名人」の役でおなじみ。『カンニング・モンキー/天中拳』が代表的な役どころだと思う。ボロい格好をしているけど、それはカムフラージュ。コウとのやりとりが面白かった。『キラー・ドラゴン/流星拳』では悪役（あまり活躍しない役どころだった）。『拳精』でイーロンを助けるシーンにも注目です。
ユエ・ハイ「人格者を演じる蟷螂拳の使い手」
①『少林寺』（Shaolin Temple：1982年）
少林寺の師範。瀕死の重傷のショウホ（リー・リンチェイ）を助ける。少林拳を学ぶことになったショウホ（僧になって名前が「チュエン」に変わる）を見守る。
②『少林寺2』（Kids From Shaolin：1984年）
ドラゴン家の親父。少林派。強盗団に親を殺された子供たちを引き取って養っている。最後は、悪辣な強盗団と対決。
③『阿羅漢』（Martial Arts of Shaolin：1986年）
嵩山にある北少林寺の師範。智北（リー・リンチェイ）を指導。最後は智北と一緒に悪の総督、赫索（かくさく）と対決。
（感想）
『少林寺』シリーズのレギュラー。未熟な青年の成長を見守ったり、みなしごを引き取ったりする「強くて優しい男」を演じた。強そうな悪役が出てきても、この人がいれば何とかなりそう、という気分にさせてくれる頼もしいキャラ。『少林寺2』での感動的なシーンが特にオススメ。
『蛇鶴八拳』
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